Microchipが開発期間の短縮と最大50%のスイッチング損失低減を実現するSiC MOSFET用デジタル ゲートドライバ発表

排出量低減目標を達成するために電気バス等の電動車両に対する需要が増すにつれ、シリコン カーバイド（SiC）を使った電源管理ソリューションはこれらの車両の効率をますます向上させています。
Microchip Technology Inc.（日本法人: 東京都港区浜松町）は本日、同社の幅広いSiC MOSFETディスクリートおよびモジュール製品ポートフォリオを拡充する1,200 Vデジタル ゲートドライバを発表しました。本デバイスは輸送システムにおける厳しい要件を満たす、安全で信頼性の高い動作のための複数レベルの制御と保護を提供します。
　　　　
Microchip社のAgileSwitch® 2ASC-12A2HP 1,200 Vデュアル チャンネル デジタル ゲートドライバは、SiC採用電源機器の設計に役立つAugmented SwitchingTMテクノロジを採用し、柔軟な構成が可能です。安全で信頼性の高い動作を確保するため、2ASC-12A2HPはSiC MOSFETを使った電源系に複数レベルの制御と、より高いレベルの保護を提供します。
従来型ゲートドライバと比較すると、AgileSwitchゲートドライバはドレイン-ソース電圧（Vds）のオーバーシュートを最大80%減衰、スイッチング損失を最大50%低減できます。2ASC-12A2HPは最大10 Aのピーク電流をソース/シンクでき、パルス幅変調信号とフォルト フィードバックのための低容量絶縁バリアを備えた絶縁型DC/DCコンバータを内蔵しています。
　　　　
2ASC-12A2HPはMicrochip社のICT（インテリジェント コンフィグレーション ツール）の最新リリースと互換です。このインターフェイスを使う事で、ゲート スイッチング プロファイル、システム クリティカル監視、コントローラ インターフェイスの設定等のゲートドライバ パラメータを設定できます。アプリケーションに合わせてハードウェアを変更せずにゲートドライバを構成できるため開発期間を短縮でき、また設計中に制御パラメータを変更できます。ICTは無償でダウンロードでき、新規設計の開発期間を3～6ヶ月間短縮できます。
　　　　
「バス、列車、路面電車、農業用輸送車両を含む全ての車両の電動化に重要なのは、電力を高い効率で使える革新的なパワー エレクトロニクス ソリューションです」とMicrochip社ディスクリート製品部門副社長のLeon Grossは述べています。「弊社のSiCパワーデバイスとこのゲートドライバ技術を組み合わせると、輸送システムと産業用アプリケーションでかつてないレベルの電力密度を達成できます。」
　　　　
車両以外にも充電インフラストラクチャ、電力貯蔵システム、ソーラー インバータ、航空機用アクチュエータ等に応用できます。
　　　　　
2ASC-12A2HPはMicrochip社の幅広いSiCパワーデバイスおよびモジュール製品と互換であり、他メーカーのSiC製品と組み合わせて使う事も可能です。Microchip社のSiCパワーモジュールとデジタル ゲートドライバを組み合わせる事で電圧オーバーシュート、スイッチング損失、EMI等の動的な事象に対応できます。Microchip社はSiC MOSFETのアバランシェおよび短絡耐性を高めると同時に、開発プロセス全体を効率化するトータルシステム ソリューションを提供します。
　　　　　
Microchip社は大電力アプリケーション向けトータルシステム ソリューションを提供しており、SiC製品と一緒に使えるMCU（マイクロコントローラ）とアナログ製品を幅広く提供しています。

　　　　　
開発ツール
2ASC-12A2HPは、多くの市販SiCスイッチ向け初期設定を含め、ICTでサポートされます。本製品は、各種フットプリントに簡単に接続できるようにモジュール アダプタボード ファミリでサポートされます。また、ゲートドライバ、モジュール アダプタボード、プログラミング キット、SiC MOSFETモジュール用ICTソフトウェアが含まれる同社のASDAK （Augmented Switching Accelerated Development Kit）でサポートされます。
　　　　　
　　　　
Microchip社ウェブサイト　http://www.microchip.com/