SOLUTION
アナログ・デバイセズがロータス・カーズの電気自動車にワイヤレスBMSを提供、モビリティの再定義を支援
2021.10.6 3:41 pm
想像を超える可能性を実現するアナログ・デバイセズ社は、英自動車メーカーのロータス・カーズが、アナログ・デバイセズのワイヤレス・バッテリ・マネジメント・システム(wBMS)を次世代電気自動車(EV)アーキテクチャに採用する計画であることを発表しました。これはwBMSのより柔軟性を増した設計をはじめ、バッテリの修理のしやすさ、軽量性が評価されたものです。この開発における協力体制により、ロータスは未来のEVの開発を安全に推進しつつ、設計と技術の限界に挑戦し続けることが可能となります。
ADIのwBMSテクノロジーでは、従来のワイヤ・ハーネスが不要となり、配線を最大90%、バッテリ・パックのサイズを15%削減します。また、バッテリ寿命全体を通して航続距離や充電状態の精度を損なうことなく、設計の柔軟性や製造のしやすさを向上します。ADIのwBMSにより、バッテリ・パックの組み立てや分解が簡素化され、バッテリ・セル故障の際にもすばやく効率的に取り外して修理することができます。
ロータス・カーズのエンジンおよびシャーシ開発部門ディレクターのRichard Lively氏は、次のように述べています。
「当社はアナログ・デバイセズ社と緊密に連携し、ロータスの今後のすべてのEVの基礎となる新たな軽量電気自動車アーキテクチャ(LEVA: Lightweight Electric Vehicle Architecture)に、wBMSを組み入れていきます。wBMSによりワイヤ・ハーネスを取り去ることで、パフォーマンスを最適化し、卓越したハンドリング性能を誇る、強力なパフォーマンスを実現する当ブランドにふさわしい軽量ソリューションを提供できます」
ロータスの車体アーキテクチャは、1台ごとに最高のパフォーマンスを引き出す設計となっています。wBMSによる設計上の柔軟性により、ロータスのエンジニアはバッテリ・パックに制約されることなく、自由に設計した自動車にバッテリ・パックを組み入れることができるようになります。さらに、ADIのwBMSはセル当たりのエネルギー使用を最大化し、最適な航続距離を実現し、耐久性に対するロータスの取り組みもサポートします。
アナログ・デバイセズのE-Mobilityグループ担当ゼネラル・マネージャーのRoger Keenは、次のように述べています。
「ロータスは、高性能で耐久性の高いレース車両や公道用車両の製造で非常に高く評価されており、多くが一級品としての名声を得ています。ロータスと連携することで、新たな可能性に光を当て、電気自動車業界を一新する技術を開発しました。それが、最高のパフォーマンス、そしてより健康な地球のための、より持続可能な環境を実現する、新しい超軽量パワートレイン・アーキテクチャとワイヤレス・バッテリ・マネジメント・システムです」
ロータスの車の寿命に合わせてバッテリ寿命を延ばすことは、極めて重要なことです。wBMSはバッテリの状態(SOH)を計測し、バッテリ・パックの組み立てや分解を簡素化し、バッテリ・セル故障の際にも効率的に取り外して修理することができます。またwBMSではバッテリ・モジュールのソフトウェア・プログラミングが可能であり、速やかで便利に無線ネットワーク(OTA)によるアップデートができ、一般車でもレースにおいても容易かつ迅速な保守が可能です。セル・コントローラがバッテリ・モジュールの寿命を通して単一の保守可能ユニットとして一体化されており、サービス・モデルをさらに簡素化します。
ADIのwBMS:www.analog.com/electrification
ロータス・カーズ:https://www.lotuscars.com/en-US/
・ロータスについて
ロータス・カーズは、英国ノーフォークのヘセルにスポーツカーおよびハイパーカーの製造のグローバル本社を置き、ロータス・アドバンスト・パフォーマンス・センター、ブランドを象徴する2.2マイルのテスト・コースを運営しています。ロータス・カーズは、13のFIAフォーミュラ1のワールドタイトルをはじめ多くのレースにおける輝かしいチャンピオンシップの伝説的な成功から生み出される、世界的な高性能車両を製造しています。2021年7月には、ガソリン・スポーツ・カーとして同社最後となる史上最高クラスの新型ロータス・エミーラを発表しました。一般向けの出荷は2022年に開始されます。また2019年7月には世界初の英国製フル電動ハイパーカーのエヴァイヤを発表しました。一般向けの出荷は2021年末までに開始されます。
アナログ・デバイセズ
https://www.analog.com/jp