SOLUTION
ユーブロックスがNaviBlind社がu-blox ZED-F9Pの高精度GNSS技術による精度の高い位置情報を活用、視覚障がいの人が一人で安全に歩くための方法を支援
2021.11.5 4:44 pm
数秒で高精度、手頃な価格、小型サイズ、低消費電力により、NaviBlindアプリを介したGNSSデバイスの高精度ナビゲーションを実現
(2021年10月28日、スイス、タルウィル)
スイスのu-blox AG(日本法人:ユーブロックスジャパン株式会社、東京港区、代表 入山 鋭士)は本日、視覚障がい者に自立した安全で柔軟なナビゲーションを提供しているテクノロジー・プロバイダーのNaviBlind社がNaviBlindアプリと連携して利用するGNSS(GPSなどの人工衛星を用いた測位システム)ソリューションにu-blox ZED-F9P高精度モジュールを搭載したことを発表しました 。
スマートフォンが普及した今でも、視覚障がい者が新しい場所への行き方を覚えるには、他人に頼らざるを得ません。また、支援技術を利用したとしても、一般的に視覚障がい者が一人で歩いて行ける場所は5か所ほどです。さらに、従来の方法で視覚障がい者がルートをナビゲートする方法を習得する場合は、何時間もかけて歩行訓練士と1対1のトレーニングを行い、広範囲にわたる計画を立てる必要があります。世界保健機関(WHO)の推定によると世界中で約2億8,500万人が視覚障がいを抱えて生活しているため、全ての視覚障がい者にこのようなトレーニングを提供するには膨大なコストがかかります。
2019年創設のNaviBlind社は、視覚障がい者が事前のトレーニングなしで一人で新しい目的地まで歩いていくことを支援しています。GPSデバイスと組み合わせたアプリは、1メートル以上の精度でナビゲーション・メッセージを送信します。
2018年、NaviBlindチームは、多数のGPSソリューションをテストしたものの、必要な精度を備えていない、かさばりすぎる、コストがかかりすぎるなどの問題を抱えていました。その後、新しくリリースされたu-blox ZED-F9P高精度全地球測位システム・モジュールにたどり着きました。
u-blox ZED-F9Pは、4つのGNSS衛星群(GPS、GLONASS、Galileo、BeiDou)すべてのGNSS信号を同時に使用する初のマスマーケット向けマルチバンド・レシーバーで、都市部など受信が困難な環境でも数秒でセンチメートル級の精度を実現するマルチバンド・リアルタイム・キネマティック(RTK)※技術を搭載しています。u-blox ZED-F9Pは、コスト効率が高く、コンパクトで、消費電力も低く、まさにNaviBlind社のビジネス・モデルが必要としていたものでした。
NaviBlind GPSデバイスは、Bluetoothを介してNaviBlindアプリに接続するu-blox ZED-F9Pを活用し、視覚障がい者が正確な音声ナビゲーションによって一人で外出するために不可欠な測位品質を提供します。また、視覚障がい者が歩道や横断歩道の境界内にとどまるようにすることで、車道に出てしまうといった潜在的な危険を回避するのにも役立ちます。これらの機能には、スマートフォン内蔵の位置情報システムでは提供できない高精度な位置情報サービスが必要です。通常のスマートフォンでは、位置情報に10メートルを超える大幅な誤差が生じることもあります。
「NaviBlindアプリでu-blox ZED-F9Pを初めてテストしたときのことをはっきりと覚えています。当社のビジネス・アイデアを実現するのに十分な精度のGPSをついに見つけた、と感じました」と、NaviBlind社共同創設者兼CEOのJonathan Sonne Andersen(ジョナサン・ソーン・アンデルセン)氏は語っています。「u-blox F9技術は、視覚障がい者が一人で安全に歩くための方法を革新するという発想に基づいた当社のビジネス・モデルに合致しました。」
NaviBlind社は、現在はデンマークで展開され、2022年には欧州全域で展開されるこのサービスを利用することで、世界中で約2,500万人が恩恵を受けると推定しています。NaviBlind社は、当初からデンマークの自治体や医療機関と協力することで、視覚障がい者が一人で安全に歩行できるようにすることを目指しています。