SOLUTION
ユーブロックスが準天頂衛星みちびき対応新製品で数センチの誤差の位置精度を安価に実現
2021.11.24 4:09 pm
日本向けGNSS補強サービス・レシーバーで農機具やドローンまでを支援 NEO-D9Cモジュールで日本版GNSSであるQZSS(準天頂衛星システム)のセンチメートル級補強サービス(CLAS)をネイティブにサポート
スイスのu-blox AG(日本法人:ユーブロックスジャパン株式会社、東京港区)は、高精度GNSS補正サービス対応のu-blox NEO-D9Cレシーバーを発表しました。日本市場に的を絞ったこのモジュールは、u-blox ZED-F9P高精度全地球測位システム(GNSS)レシーバー(*)とシームレスに統合し、精密農業、重機、ドローン、自動車アプリケーションにセンチメートル級の位置精度を提供します。
GNSS補強サービスは、GNSS誤差の最も一般的な原因を補正することにより、測位精度を数メートルからわずか数センチメートルレベルの誤差にまで向上させます。これまでは技術的およびコスト的に参入障壁が高かったため、マスマーケット向けアプリケーションにとって高精度GNSSは手の届かないものでした。
NEO-D9Cは、これまで独自の高価なソリューションに頼ってきた市場において、センチメートル級の測位精度を容易な実装により利用できるようにしました。これは、日本版GNSS、QZSS(みちびき、準天頂衛星システム)の衛星群が日本本土に向けてL6バンド(中心周波数:1278.75MHz)でブロードキャストしている利用料無料のセンチメートル級補強サービス(以下CLAS: Centimeter Level Augmentation Service)を活用するものです。
この補正サービス・レシーバーでは、位置出力の可用性を最大化するために、2基のQZSS衛星のCLASデータを同時にデコードします。可視状態にあるすべてのQZSS衛星を追跡することにより、継続的なCLASサービスを提供するために最適な衛星の組み合わせを自動的に選択します。
完璧なペアリング
u-blox NEOフォーム・ファクターで設計されたNEO-D9Cは、高度なセキュリティ機能を実装し、エンドユーザー製品で信頼性の高いGNSS性能を実現します。u-blox ZED-F9P RTK(*) GNSSレシーバーとのペアリングにより、完全な高精度測位ソリューションの開発を簡素化できます。
今後、ユーブロックスはu-blox F9 GNSSテクノロジー・プラットフォーム全体でCLASによるダイレクト補正のサポートを拡大し続けます。
高精度測位の一般化
「ユーブロックスでは長い間、高精度測位ソリューションのマスマーケット化の実現に取り組んできました。今回の発表はRTK技術の一般化に向けた新たな足がかりであり、農業、建設、流通、運輸におけるセンチメートル級測位の利用を容易にするものです」と、ユーブロックスの産業用ナビゲーション&ロボティクス部門責任者のMarten Strom(モルテン・ストローム)は述べています。
NEO-D9Cモジュールの初回サンプルはプロフェッショナル・グレードと自動車グレードで提供中です。
(*)ZED-F9Pは、L1帯とL2帯という異なる周波数帯の信号に対応し、みちびき(日本)、GPS(米国)、GLONASS(ロシア)、BeiDou(中国)、ガリレオ(欧州)の5つの衛星測位システムを受信できるGNSS受信モジュールです。2020年6月、ファームウェアをバージョンアップしてL1S(サブメータ級測位補強サービス、災害・危機管理通報サービス)信号に対応しています
RTKはReal Time Kinematic(相対測位)のことで、固定局と移動局の2つの受信機で4つ以上の衛星から信号を受信する技術です。受信機の間でのやりとりでズレを補正することで、より精度の高い位置情報を得ることができます。主に、農機やドローンなど、より正確な位置情報を求められる分野の活用が期待されています。
内閣府の「みちびき(準天頂衛星システム)ウェブサイト」へも掲載しておりますのでご覧ください。
u-blox「NEO-D9C」
https://qzss.go.jp/usage/products/ublox_211124.html
ユーブロックス
www.u-blox.com