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インフィニオンが20億ユーロ以上を投じてワイドバンドギャップ半導体をさらに強化
2022.2.18 5:24 pm
マレーシアのクリムにフロントエンドを新設し、パワー半導体市場でのリーダーシップを加速
インフィニオン テクノロジーズは、ワイドバンドギャップ (SiCおよびGaN) 半導体の製造能力を増強し、パワー半導体市場でのリーダーシップを強化します。マレーシアのクリムにある拠点に、20億ユーロ以上を投じて第3の施設を建設します。この新施設の稼働によって、SiC、GaNをベースとした製品で、新たに年間20 億ユーロの売上増が可能になります。
この拡張は、インフィニオンの長期的な製造戦略に沿ったもので、クリムの200mmウエハー製造によって実現された、優れた規模の経済性の恩恵を受けることができます。またこれは、フィラッハとドレスデンでの300mmウエハー工程を土台とした、インフィニオンの生産におけるリーディングポジションを補完するものです。この新たな投資は、インフィニオンの「プロダクトからシステムへ」のアプローチを構成する、技術におけるリーダーシップ、幅広い製品ポートフォリオ、深いアプリケーション ノウハウの組み合わせによってもたらされる総合的な競争力を大幅に強化することになります。
インフィニオンのCOO であるハネベックは「革新的な技術とグリーン電力の利用が炭素排出削減の鍵です。再生可能エネルギーと電動化がパワー半導体の力強く、持続的な需要増の主な要因となっています。インフィニオンのSiCとGaNの生産能力は、ワイドバンドギャップ市場の加速に対応するためのものです。インフィニオンは、フィラッハの開発センターとコスト効率に優れたクリムでの生産を組み合わせ、ワイドバンドギャップ パワー半導体市場で勝利します」と述べています。
ワイドバンドギャップ半導体の大規模生産を2拠点で行い、 サプライチェーンを強靭化
インフィニオンは、すでに3,000社以上の顧客にSiCベースの製品を提供しています。現在 これらの半導体は様々な用途に使用され、付加価値を提供しています。効率、サイズなどの面でより良いシステム性能を発揮し、また、シリコンベースのソリューションと比較し、コスト面でも優れています。
インフィニオンの「プロダクトからシステムへ」という戦略的なアプローチにより、SiC ベース半導体の採用が促進されており、最先端の基礎技術、最も幅広い製品とパッケージのポートフォリオ、そして比類のないアプリケーションのノウハウ がそれを支えています。産業用電源、太陽光発電、輸送、ドライブ、自動車、EV充電などが主なアプリケーションです。インフィニオンは、SiCベースのパワー半導体の売上を2020年代半ばに10億ドルにすることを目標にしています。また、GaN の市場も2020年の4700万ドルから2025年には8億100万ドルへと大きな成長が予測されています。(*1)
インフィニオン は最先端システムとアプリケーションへの理解、幅広いGaN IPポートフォリオ、大規模なR&D組織を有しています。
(*1)出典:Yole - Compound Semiconductor Quarterly Market Monitor Q3 2021、CAGR:76%
クリムの第3の施設がフル稼働すると、900人分の雇用が創出される見込みです。6月に建設開始、2024年夏には設備搬入の予定で、最初のウエハーは2024年後半に出荷されます。クリムへの投資は、特にエピタキシャルプロセスやウエハー シンギュレーションなど、重要な付加価値工程で構成される予定です。
マレーシアの上級大臣兼通商産業大臣のDato' Seri Mohamed 氏は「マレーシアはインフィニオンの主要な地域ハブの1 つであり、今回のさらなる投資は、私たちが推進するエコシステムと、長期的な成長をサポートする地域の人材の能力を裏付けるものです。 政府は、マレーシア投資開発庁(MIDA)を通じて戦略的投資家と緊密に協力し、この地域の主要な半導体ハブとしてのマレーシアの卓越性を確固たるものにしていきます」と述べています。
ワイドバンドギャップ技術のグローバルコンピテンスセンターとしての役割を強化するフィラッハ
フィラッハのサイトは、今後数年間、既存のシリコン用設備を転用することにより、ワイドバンドギャップ技術イノベーションの基盤およびグローバル コンピテンス センターとして機能し続けます。6インチおよび8 インチのシリコンラインは、汎用のシリコン装置製造装置を転用し、SiCおよびGaN 製造に改造されます。フィラッハのサイトは現在、さらなる成長の機会に備えています。
インフィニオン テクノロジーズ
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