SOLUTION
インフィニオンがPQCで保護されたファームウェア アップデート メカニズムを備えた世界初となるFuture-Proofのセキュリティ ソリューションであるOPTIGA™ TPMをリリース
2022.2.21 4:15 pm
量子コンピューティングは、サイバー セキュリティ、特に暗号化データの機密性とデジタル署名の完全性に大きな影響を与えることが予想されています。これらの課題に対処するため、インフィニオン テクノロジーズは本日、セキュリティを次のレベルへと押し上げる新しいOPTIGA™ TPM (Trusted Platform Module) SLB 9672をリリースしたことを発表しました。これは、XMSS署名を使用してPQC (Post Quantum Computing: ポスト量子暗号) で保護されたファームウェア アップデート メカニズムを備えたFuture-Proofのセキュリティ ソリューションです。
このメカニズムは、攻撃者からの量子コンピュータへのアクセスとファームウェア破壊の脅威を回避するもので、PQCで保護されたファームウェア アップグレード パスを可能にすることで、デバイスをより長期に守ります。標準化されすぐに使用が可能なこのTPMは、PCやサーバーに加え、その他コネクテッド デバイスのIDとソフトウェアの安全性を確立し、静止時および転送時のデータの整合性と機密性を保護するための強固な基盤を提供します。
インフィニオンのこの最新OPTIGA™ TPMファミリーは、PQCに基づく追加チェックに加え、256ビットの鍵長によるファームウェア アップデート メカニズムを提供する業界初のTPMです。この強力で信頼性の高いアップデート メカニズムによりOPTIGA™ TPM SLB 9672は、標準アルゴリズムの信頼性が低下した場合でもアップデートを実行することが可能です。
破損したファームウェアの影響を打ち消すフェイルセーフ機能を備えたデザインにより、コンピューティング パフォーマンスの向上を実現します。たとえば、内蔵のフェイルセーフ機能により、NIST SP 800-193 Platform Firmware Resiliency Guidelinesに準拠したTPMファームウェアのリカバリーが可能です。
このTPMはまた、追加の証明書や暗号キーなどの新機能を保存するための拡張不揮発性メモリを搭載しています。セキュリティの評価および認証は、Common CriteriaとFIPSの要件に基づき、独立した機関によって実行されます。また、Trusted Computing Group (TCG) 要件 (TPM 2.0 standard version 1.59) に完全に準拠し、最新のTPM 2.0規格に基づく認証を取得しています。
本TPMは、標準化された信頼ベースと設計を支援する各種ツール (ソフトウェア/デモ ボード) を提供し、ホスト ソフトウェアとの容易な統合を可能にします。また、Windows、Linuxの最新バージョンに対応しています。さらに、-40℃~105℃の拡張温度範囲をサポートします。
インフィニオンは、OPTIGA™ TPM SLB 9672を少なくとも10年と長期にわたって提供することをコミットしており、インフィニオン セキュリティ パートナー ネットワーク (ISPN) を通じて、ユーザーに合わせたサポートとメンテナンスを提供します。この長期的なコミットメントによりインフィニオンは、TPMの継続的な可用性と強力なサポート体制を提供します。
OPTIGA™ TPM SLB 9672製品ページ
https://www.infineon.com/cms/jp/product/security-smart-card-solutions/optiga-embedded-security-solutions/optiga-tpm/optiga-tpm-slb-9672/