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STマイクロエレクトロニクスが次世代のセンシングを実現するMEMSセンサを発表

2022.3.7  3:27 pm

STマイクロエレクトロニクスが次世代のセンシングを実現するMEMSセンサを発表

高精度・超低消費電力を実現する第3世代MEMS技術を採用、拡張機能として機械学習コアと静電容量式センシング機能を搭載

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーで、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)製造をけん引するSTマイクロエレクトロニクスは、高精度・超低消費電力を実現する第3世代MEMS技術を採用したMEMSセンサ4製品を発表しました。これらの製品は、コンスーマ向けモバイル機器や、ファクトリ・オートメーション、ヘルスケア機器、および小売物流システムの性能および機能を大幅に向上させます。
      
MEMSは、スマートフォンやウェアラブル機器において、直感的なコンテキスト認識機能を実現する堅牢かつ小型のモーション・センサや環境センサの基盤となる技術です。
STの第3世代MEMSセンサは、センサ性能の向上に加え、従来技術と比べて大幅な出力精度の向上や低消費電力化を実現しています。アクティビティ検知や屋内ナビゲーション、産業用センシングなどに最適で、きわめて高い精度を提供します。また、低消費電力のため、バッテリ寿命の延長に貢献します。
     
STの第3世代MEMSセンサには、STの機械学習コア(MLC)を内蔵した製品や、電荷変動(QVAR)検出チャネルを搭載した製品が含まれています。MLCは、超低消費電力で動作するエッジ・アプリケーションへ機械学習機能の導入を実現します。
電荷変動(QVAR)検出チャネルは、スマート・ウォッチやフィットネス・バンドによる接触センシング、または非接触センシング(レーダー)を介して、静電気の電荷変化をモニタリングします。これにより、ユーザ・インタフェース制御を強化して、シームレスな操作を実現することができます。また、湿度 / 結露検出の簡略化も可能です。非接触センシング機能は、人体検出やアクティビティ・モニタリング、人数カウントといったアプリケーションに最適です。
      
STのMEMSセンサ事業部マーケティング・ディレクターであるSimone Ferriは、次のようにコメントしています。
「MEMSの専門性やプロセス技術に対する長期的かつ広範な投資により、革新的な次世代のMEMSセンサを実現することができました。STの第3世代MEMSセンサは、センサ性能の大幅な向上に加え、オプションの静電容量式センシングや機械学習といった機能拡張を実現しています。あらゆるシーンで、常時オンかつ常時接続されたこのMEMSセンサにより、透明性の高いインタラクションや、オンライン / オフライン間のシームレスな移行が可能な暮らしを実現します。」
     
STの第3世代MEMSセンサ初の製品である大気圧センサ「LPS22DF」および「LPS28DFW」(防水タイプ)は、1.7μAの最小消費電流と0.5hPaの絶対圧精度を備えています。LPS28DFWは、最大測定範囲を1260hPaまたは4060hPa(水深約30メートルの水圧に相当)から選択できるため、水中でも正確な垂直位置を測定可能です。「LPS22DF」および「LPS28DFW」は、モバイル機器やスマート・ウォッチを含むウェアラブル機器の高度計および気圧計の性能向上に貢献します。また、気象観測機器や高精度水深センサといった産業機器にも最適です。
      
3軸加速度センサ「LIS2DU12」は、アンチエイリアス処理を備えた超低消費電力アーキテクチャとして設計された製品です。LIS2DU12に搭載されたアンチエイリアス・フィルタは、きわめて低い消費電流で動作します。LIS2DU12は、I3Cインタフェースを搭載した初の加速度センサです。100Hzの出力データ・レート(ODR)における消費電力がわずか3.5μAで、きわめて小型のパッケージ(2.0 x 2.0 x 0.74mm)で提供されます。ウェアラブル機器や補聴器、完全ワイヤレス・イヤホン(TWS)、ワイヤレス・センサ・ノード、およびシステムの最適化が不可欠なあらゆるアプリケーションに最適です。
      
6軸モーション・センサ「LSM6DSV16X」は、QVAR静電容量式センシング、MLC、ステート・マシン(FSM)を備え、高速応答と低消費電力を実現します。
最小動作電流は12μAです。また、LSM6DSV16Xに搭載された新しいステート・マシンには、自己構成機能(ASC)が搭載されています。ASCでは、デバイスがコンテキストを認識し、システムのウェイクアップなしで自動的に再構成を行うため、消費電力の大幅な削減が可能です。LSM6DSV16Xは、2022年内に量産が開始される予定ですが、非接触センシングを活用したユーザ検知によるノートPCの自動ウェイクアップ・アプリケーションにおいて、すでに評価が進められています。
        
詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
https://www.st.com/ja/mems-and-sensors.html?icmp=tt25323_gl_pron_feb2022