ザイトロニックが台湾の統合型ディスプレイメーカーに先進のタッチディスプレイ技術提供

タッチテクノロジーのイノベーターである英ザイトロニック（Zytronic、本社: 英ニューカッスル）は、台湾の先進的なディスプレイメーカーInnolux社が、ザイトロニックのタッチディスプレイ技術を採用し、リッチなユーザー体験を可能とする触覚ソリューションを実現したタッチスクリーンを開発したと発表しました。
　　　　　　
Innolux社のコンセプトは、4mm厚の強化ガラスに精密加工された3D表面形状を持つ13インチカスタマイズZyBrid®マルチタッチセンサーを組み込み、ユーザーの指先をスクリーン上の適切な位置に誘導することです。Zytronic独自のZXY500™コントローラは、マルチタッチ機能を提供し、非接触型「ホバー」タッチ、パームリジェクション、高いノイズ耐性、ミリ秒単位の高速操作など、複雑なジェスチャーをサポートします。
　　　　　
タッチスクリーンの表面には、最新の5軸CNC（コンピュータ数値制御）ガラス加工装置を使用して、ザイトロニックはガラスに精密で洗練された「くぼみ」、溝、ダイヤルを機械加工しました。ダイヤルやボタン、スライダーをドリルで加工して取り付けるのではなく、ガラス表面に触覚的なフィンガーガイドを精密加工することで、露出する可動部品が少なく、防水で衛生的なユーザーインターフェースを簡単に作成でき、信頼性を高めることができるのだそうです。
　　　　　　
ザイトロニック台湾の代表を務めるChris Suは、今回の事例について次のように述べています。
「これらの機械加工は、ディスプレイの周辺部やLCDの上に配置することができます。ザイトロニックは、アンチグレア、アンチリフレクション、抗菌など、さまざまな種類のガラスでこの触覚ガラスタッチセンサー技術を提供しました」
　　　　　　
Innoluxでセクションマネージャーを務めるMing Huang Chen氏は、次のように述べています。
「私たちは、多目的な触覚フィードバックのために、特徴的なガラス構造の背後にタッチ駆動の振動触覚アクチュエータを統合し、より直感的に使えるようにしました。触覚と振動の両方のフィードバックにより、ユーザーは彫刻された表面の特徴と平らな部分を区別できるだけでなく、例えば「クリック感」のような様々な高忠実度の振動触覚フィードバックも感じることができます。ユースケースによっては、通常ディスプレイパネルの周囲に搭載される機械式ボタンを、このようなアイデアで置き換えることができるようになりました」
　　　　　
Innolux社は、この新しい表面タッチや触覚機能を実現したことにより、展示会「Touch Taiwan 2021」で金賞を受賞しました。同社は、制御パネルがこの技術の主な応用分野であると考えており、たとえば、オペレーターがスキャナーのレベルを上下操作したい医療用アプリケーションで活用されています。医療用画像処理もその一例です。機械加工されたダイヤルや「ジョグル・ホイール」を使って機能の回転運動を維持することで、ユーザーはコントロールパネルから目を離し、メインディスプレイの画像に目を向けることができます。ミキシングデスクやライティングデスクでも、ジョグル・ホイールやスライダーを使用して位置や触感のフィードバックエリアを追加することができます。
また、CCTV（閉回路テレビ）のコントロールパネルでは、リモートカメラのズームイン/アウト機能の制御、カジノゲームでは、プレイヤーが目の前のメインスクリーンに目を向けながら、仮想ボタンデッキでコンソール機能を直感的に操作するために使用することができます。
　　　　　　　
Innoluxコントロールパネルのデモは、こちらをご参照ください。
www.youtube.com/watch?v=uZLvawh2fuM
　　　　　　　
Innolux社について
Innolux社は2003年に設立され、2006年に台湾で株式公開を果たしました。2010年3月には、奇美電子、TPOディスプレイズとの合併により、台湾パネル業界史上最大の合併を実現しました。2013年にはChi Meiブランドとの差別化を図るため、社名をInnoluxに改称しました。Innolux社は台湾に14の工場を持ち、大型、中型、小型の液晶パネルとタッチパネルを扱う世界唯一のワンストップ総合ディスプレイ・トータル・ソリューション・プロバイダーです。Innolux社は、TFT-LCDの基盤や生産品質に優れているだけでなく、加工技術や部品に注力しており、優れた管理能力を備えています。
https://www.innolux.com/
　　　　　　
ザイトロニック
www.zytronic.jp