SOLUTION
アナログ・デバイセズとGridspertiseがスマートグリッドの強靭性と世界的な配電の高度化推進を目指して提携
2022.3.29 5:22 pm
想像を超える可能性を実現するアナログ・デバイセズは、Enel Groupの新しい子会社で、配電事業者(DSO: Distribution System Operator)向けの最先端の持続可能ソリューションを提供するGridspertiseと提携し、世界のスマートグリッドの強靭性と品質向上に取り組むことを発表しました。再生可能エネルギー源の利用が拡大する中、この協力体制により、エネルギーの大幅な需給変動に対応できる自己修復型の配電網を支える、新たなハードウェアやソフトウェアの開発が可能となります。
この共同作業は、過去15年にわたるアナログ・デバイセズとEnelのスマートメーターとグリッドデジタル化ソリューションの長期的な協力関係を基盤としています。現在、ADIはGridSpertiseと協力し、さらに精密で正確な測定・監視機能を、リアルタイムデータを用いて提供しています。これにより、応答時間の短縮化、強靭性の向上、エンドユーザへのサービス品質の改善による電力グリッドの信頼性向上に加え、事業者による運用効率の向上、クリーンエネルギーへの迅速な移行、柔軟なサービスの実現が可能になります。
この共同開発の技術は、ライフサイクルの様々なステージや地域の旧式インフラの改修にも適しており、多額の費用を投じて再構築する必要がなく、さらには資産の環境負荷を最小限に抑制することができ、デジタル化が、より持続可能な配電網の実現に向けた推進力となります。
Gridspertiseの最高経営責任者であるロバート・デンダ(Robert Denda)氏は、次のように述べています。
「Gridspertiseはオープンイノベーションを進めており、配電網のデジタル化に向けた最先端のハードウェアおよびソフトウェアを工業化し、市場に提供するため、様々な領域の主力企業と連携し、世界中のDSOのエネルギー移行を支援しています。Enelの実施例を踏襲し、ADIと連携できることを嬉しく思います。引き続き最新のグリッドエッジ技術を提供し、事業者が住宅や商業施設での総需要への対応を強化し、弊社の顧客が「生産消費者」となる未来のエネルギーシステムをサポートできるよう支援したいと考えています」
また、ADIのパワー、高精度技術は、Gridspertiseの二次変電所におけるデジタル化の画期的なソリューションの中核となるQEd (Quantum Edge®) デバイス向けに強化されたアナログ/デジタル変換、保護、高精度な測定、計測、アイソレーション機能として提供されます。このソリューションは、二次変電所の物理的なコンポーネントを完全に可視化でき、カスタマイズ可能なエッジアプリケーションとしつつ、新たな使用法やグリッドの主要機能の制御性向上を実現する業界初のものです。
アナログ・デバイセズのオートモーティブ電動化&持続可能エネルギー担当、コーポレートバイスプレジデントのパトリック・モーガン(Patrick Morgan)は、次のように述べています。
「自動車からエネルギー貯蔵、充電スタンドまで、電動化のエコシステム全体を網羅するADIの技術は、電力配電網にとってこれまで以上に重要となっており、柔軟性や適応力を向上させるために高精度な測定やデジタル化が求められています。私たちは、当社の次世代のエネルギー計測、アイソレーション、検出、制御の先進ソリューションにおいて、Gridspertiseと連携拡大できることを歓迎します」
Gridspertiseについて
Gridspertiseは2021年9月にEnelの子会社として設立されました。Gridspertiseは、世界中のスマートグリッド運用における最高水準の技術を開発、試験、拡張してきたEnelの専門性を活かし、あらゆる地域のあらゆる規模の配電事業者(DSO)に現場で実証済みのソリューションを提供しています。Gridspertiseは、「メーターおよびグリッドエッジのデジタル化」、「ネットワーク基盤のデジタル化」、「現場業務のデジタル化」の3つの主な領域で配電網を変革する、最先端のデジタルソリューションを提供しています。欧州とラテンアメリカでEnel Groupがすでに事業を展開している国を皮切りに、北米やアジア太平洋など、近い将来スマートグリッド投資によりインフラ改修事業が推進される地域に対象市場を拡大していく予定です。
https://www.gridspertise.com
アナログ・デバイセズ
https://www.analog.com/jp