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アナログ・デバイセズのワイヤレス・バッテリ管理システム、最も厳しい自動車サイバーセキュリティ規格に対応

2022.4.5  4:01 pm

アナログ・デバイセズのワイヤレス・バッテリ管理システム、最も厳しい自動車サイバーセキュリティ規格に対応

想像を超える可能性を実現するアナログ・デバイセズ社は、当社のワイヤレス・バッテリ管理システム(wBMS: Wireless Battery Management System)が自動車向けの最も厳格なサイバーセキュリティのエンジニアリングおよびマネジメント認証を取得したことを発表しました。取得したISO/SAE 21434は、電気電子システムのコンセプトや製品開発・生産から運用、保守、廃棄まで自動車のライフサイクル全体におけるサイバーセキュリティのリスク管理の要件を規定した新たな規格です。
アナログ・デバイセズのwBMSは、同規格の認証機関であるTÜV NORD Mobilitätにより、ISO/SAE 21434規格を満たす初の自動車向けシステムとして認証されました。審査では、ADIがCAL 4の要求事項を満たすために、製品開発の過程で適切な措置を講じていることが確認されました。
      
ADIは、2020年に業界初のwBMSを米ゼネラル・モーターズ社と共に発表した後、あらゆるレベルでセキュリティを考慮して設計されたターンキーソリューションとして、本技術を自動車メーカー向けに量産化しました。バッテリパックを有線から無線接続に変更することで、自動車メーカーは幅広い車種クラスで電気自動車を量産できるようになり、wBMSはコネクタ不要のバッテリとしてモジュール性、柔軟性、拡張性により、設計や組み立て工程を簡素化します。ワイヤレス通信であるため、システムの透明性、セキュリティ、展開のしやすさが非常に重要となります。
      
TÜV NORD MobilitätのシニアバイスプレジデントのLeif-Erik Schulte氏は、次のように述べています。
「ADIのwBMSが、ISO/SAE 21434の要件を満たしているかについて厳格な審査を実施しました。ADIは、CAL 4の条件を念頭に置いて製品を開発しており、サイバーセキュリティに対する措置も最高レベルの要件を満たしていました。このシステム認証は、エネルギー貯蔵からOEM、消費者まで、電動化のエコシステム全体における信頼を構築し、EV普及と排気ガス削減を推進する重要な要素です」
       
McKinseyは最近の報告書*1)の中で、「サイバーセキュリティは自動車の特性を決める新たな要素となりつつあり、(中略)今後は市場アクセスや型式認証の確保に欠かせないものとなる」としています。ISO/SAE 21434規格で定めるCAL Level 4分類では、サイバー攻撃を受ける危険性のあるコンポーネント、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)、ソフトウェア機能を前もって特定する強力なリスク評価が求められます。
      
アナログ・デバイセズのバッテリ管理システム担当ゼネラルマネージャーのロジャー・キーン(Roger Keen)は、次のように述べています。
「自家用車は地球温暖化の主な要因となっており、サステナブルな未来を実現するためには、EVの普及促進が非常に重要です。EVバッテリのセキュリティや精度向上が、エンドユーザーが自動車を購入する際の障壁を取り除き、OEMのEV製品拡大を押し進めます。この認証により、今後もEVバッテリのサプライチェーンにおける透明性とシームレスな展開を実現し、よりグリーンな世界に向けた当社のビジョンを推進します。お客様はサイバーセキュリティの開発期間や関連インフラ投資を削減することで、市場投入をさらにスピードアップすることができます」

アナログ・デバイセズのワイヤレス・バッテリ管理システム、最も厳しい自動車サイバーセキュリティ規格に対応

*1)McKinsey & Company. 2020, June 22. Cybersecurity in automotive: Mastering the challenge.
https://www.mckinsey.com/industries/automotive-and-assembly/our-insights/cybersecurity-in-automotive-mastering-the-challenge
      
アナログ・デバイセズ
https://www.analog.com/jp