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NXPが車載レーダー・センサ性能の強化を可能にするPremium Radarソフトウェア開発キット(SDK)発表

2022.4.11  4:41 pm

NXPが車載レーダー・センサ性能の強化を可能にするPremium Radarソフトウェア開発キット(SDK)発表

車載レーダー分野をリードするNXP Semiconductorsは、新Premium Radar SDK(PRSDK)の強力なレーダー・シグナル・プロセッシング・アルゴリズムを初めて発表しました。これにより、開発者はレーダー・システム性能の向上が可能になり、NXPの先進ソフトウェア・アルゴリズムと最新のS32R4xレーダー・プロセッサ・ファミリを組み合わせ、安全性を強化し差別化を実現することができます。
独自のレーダー・アルゴリズムのライブラリにより、レーダー・センサ・アプリケーションへの定評あるアルゴリズムの迅速な統合が可能になり、レーダー・センサ開発期間の短縮と研究開発投資の低減が実現します。この第1世代のリリースでは3つのアルゴリズム・パッケージとして、干渉の軽減、MIMO波形の最適化、角度分解能強化のためのソリューションを含んでおり、2022年内に評価用に提供予定です。
      
今日の自動車では、自動緊急ブレーキやアダプティブ・クルーズ・コントロールなどにレーダーが標準装備として使用されるようになっています。各国の法規制において死角検知、ターン・アシスト、前後の横断車両/歩行者検知など、要求水準の高い機能の義務化が進んでおり、360度セーフティ・コクーンを可能にする車載レーダー・ノード数の増加が必要とされています。
さらに、より安全で快適な運転体験を求める声の高まりに対応し、快適機能の提供の面で自動運転レベルL3に近いL2+への移行が加速しています。その結果、コーナーでのカバレッジ拡大や正確な環境マッピング、車両位置特定を可能にする高性能なレーダー・センサが要求されるようになっています。
      
NXPの製品マーケティングおよびビジネス開発ADAS担当ダイレクタのHuanyu Guは、次のようにコメントしています。
「今後10年にわたり、車載レーダーではレーダー・センサ搭載車の増加、車両当たりのセンサ・ノード搭載数の増加、センサの高性能化という3つのトレンドが加速すると予想しています。こうしたメガトレンドにより、自動車OEM企業とTier 1サプライヤはいくつかの課題に直面するようになっています。具体的には、干渉の軽減、MIMO波形の最適化、角度分解能の強化というニーズへの対応が課題となっています。NXPのPremium Radar SDKの先進アルゴリズムはこうした課題すべてに対応でき、お客様はS32R4xレーダー・プロセッサ・ハードウェアの最適な活用が可能になります」。
      
調査によれば、約5年以内に車載レーダー・センサの数が倍増し、90%強のレーダー・センサが同じ77~79GHz帯で動作することになります。そのためレーダー干渉の懸念が高まっており、軽減策を求めるニーズへの対応が急務となっています。同時に、自動車メーカーはセンサ性能向上のための効率的な方法を模索しています。従って、MIMO波形を入念に最適化することが不可欠であり、これによりレーダー・センサの解像度の向上と検知距離の延長が可能になります。
この特殊変調方式により、同時に動作可能なトランスミッタ数を増やし、受信側での区別のため、個々の送信アンテナ信号をコーディングできるようになります。また、交通弱者検知機能や駐車アシスト機能などの用途向けに物体の識別/分類精度を向上するため、コーナーとフロントの両方のレーダー・アプリケーションでセンサの高解像度化が求められています。
       
Premium Radar SDKはNXPの長年にわたるレーダー・イノベーションを基に開発された新しいソフトウェア製品です。今後も進化が続き、定期的に行われるリリースを通じてアルゴリズム・リストを拡張し、新しいレーダー要件やNXPの今後のレーダー・ロードマップに対応していきます。
PRSDKの実装は、国際自動車品質マネジメント規格IATF 16949:2016とASPICE Level 3の要件に準拠しています。PRSDKを利用して開発した製品は、ユーザーによる調整や差別化のためのカスタマイズが可能です。
       
NXPが評価ライセンス契約に基づいてOEM企業とTier 1サプライヤに提供する評価オプションは2種類あります。MATLABベースのバージョンはコードがコンパイル済みのアルゴリズムであり、開発者はカスタマー・テスト・ベクターを使用し出力ベクターの計算と可視化を行うことでPRSDKの動作を理解できます。ビット精度を提供するMCUベースの評価オプションはアルゴリズム・バイナリ・ファイルが付属しており、NXPのターゲット・レーダー・プロセッサ評価ボード上で実行してPRSDKのリアルタイム性能を実際に試すことができます。
        
詳細と製品の供給については、NXP.com/PRSDK をご覧ください。