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オンセミが初のTOLLパッケージ封止650V SiC MOSFETを発表

2022.5.12  4:18 pm

オンセミが初のTOLLパッケージ封止650V SiC MOSFETを発表

新デバイスは60%小型化したパッケージ、性能向上、損失低減を実現

オンセミ(onsemi、本社 米国アリゾナ州フェニックス)は、初のTO-Leadless(TOLL)パッケージ封止 SiC(シリコンカーバイド)MOSFET「NTBL045N065SC1」を発表しました。このトランジスタは、高電力密度設計に適した高性能スイッチングデバイスのニーズの急速な高まりに対応するものです。従来のSiCデバイスはD2PAK 7リードパッケージで提供されており、非常に大きなスペースを必要としていました。
      
TOLLパッケージの寸法は9.90 mm x 11.68 mmで、D2PAKパッケージに比べてプリント基板(PCB)の面積を 30% 削減できます。また、TOLLパッケージは2.30mmの薄さで、D2PAKパッケージに比べて 60% の体積削減が可能です。
        
さらに、TOLLパッケージは、D2PAK 7リードパッケージより優れた熱性能と低いパッケージインダクタンス(2nH)を提供します。また、ケルビンソース構成により、ゲートノイズの低減とスイッチング損失の低減を実現しており、ケルビンソース構成でないデバイスと比較して、ターンオン損失(EON)を 60% 低減します。これにより、厳しい電源設計において効率と電力密度を大幅に改善するとともに、EMIの改善しPCB設計を簡素化できます。
       
オンセミのアドバンストパワー・ディビジョンでシニア・バイスプレジデント兼ジェネラル マネー ジャを務めるアシフ・ ジャクワニ(Asif Jakwani) は、次のように述べています。
「小さなスペースで信頼性の高い電源設計を実現できることが、産業機器、高性能電源、サーバアプリケーションなど多くの分野で競争力を高めています。当社のクラス最高のSiC MOSFETをTOLLパッケージに搭載することで、スペースを削減するだけでなく、EMIなどの多くの分野で性能を高め、損失を削減できます。その結果、高い信頼性と耐久性を備えた高性能スイッチングデバイスを実現し、電源設計者は厳しい電源設計の課題に対応できるようになります」
       
SiCデバイスは、高周波での効率向上、低EMI、高温動作、高信頼性など、従来のシリコンデバイスと比較して大きな利点を備えています。オンセミは、SiCブール成長、基板、エピタキシ、デバイス製造、クラス最高の統合モジュール、ディスクリートのパッケージソリューションを含む、垂直統合型の能力を持つ唯一のシリコンカーバイド・ソリューションのサプライヤです。
      
TOLLパッケージで提供される最初のSiC MOSFETとなる「NTBL045N065SC1」は、スイッチモード電源(SMPS)、サーバおよびテレコム用電源、ソーラーインバータ、無停電電源(UPS)、エネルギー貯蔵などの要求の厳しいアプリケーションを対象としています。本デバイスは、ErPや80 PLUS Titaniumなど、最も厳しい効率規格を満たす必要のある設計に適しています。
      
「NTBL045N065SC1」は、VDSS定格が650V、RDS(on)の標準値がわずか33mΩ、最大ドレイン電流(ID)が73Aです。ワイドバンドギャップ(WBG)SiC技術に基づき、最高動作温度が175℃、超低ゲートチャージ(QG(tot)=105nC)でスイッチング損失を大きく低減しています。さらに、TOLLパッケージはMSL1(湿度感度レベル1)規格に準拠し、保証されているため、量産時の故障率を確実に低減できます。
       
さらにオンセミは、TO-247 3リード、4リード、D2PAK 7リードのパッケージに封止した車載グレードのデバイスを提供しています。
      
オンセミ(onsemi)
www.onsemi.jp