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STマイクロエレクトロニクスが電力密度と効率を向上した新しいパワーMOSFETを発表

2022.5.20  4:24 pm

STマイクロエレクトロニクスが電力密度と効率を向上した新しいパワーMOSFETを発表

STマイクロエレクトロニクスは、スーパー・ジャンクション型のNチャネル・マルチドレインSi(シリコン)パワーMOSFET「STPOWER MDmesh M9シリーズ」および「DM9シリーズ」を発表しました。これらの製品は、データ・センター用サーバや5G通信基地局、フラット・パネルTVなど、幅広いアプリケーションのスイッチング電源(SMPS)に最適です。
       
MDmesh M9 / DM9シリーズ初の製品となる「STP65N045M9」(650V耐圧)および「STP60N043DM9」(600V耐圧)は、いずれも単位面積あたりのオン抵抗(RDS(on))が極めて低いため、電力密度の最大化や小型システムの実現に貢献します。
最大オン抵抗は、STP65N045M9が45mΩ、STP60N043DM9が43mΩで、きわめて優れた性能を備えています。また、両製品ともにドレイン電圧400Vにおけるゲート電荷(Qg)が80nC(Typ.)と非常に低く、現在STから提供されている製品において、最高のスイッチング性能(オン抵抗 x ゲート電荷)を備えています。
      
ゲートしきい値電圧(VGS(th))は、STP65N045M9で3.7V(Typ.)、STP60N043DM9で4.0V(Typ.)となっており、従来製品であるMDmesh M5シリーズやM6 / DM6シリーズと比べ、ターンオン / オフ時のスイッチング損失を最小化することができます。また、MDmesh M9 / DM9シリーズは、逆回復電荷(Qrr)と逆回復時間(trr)が極めて低いため、電力効率およびスイッチング性能の向上に貢献します。
       
STの最新の高電圧MDmesh技術は、高速の内蔵ボディ・ダイオードを実現する追加の白金拡散プロセスを特徴とし、従来のプロセスよりも高いノイズ耐性(dV/dt)を実現しています。また、MDmesh DM9技術を採用した製品は非常に堅牢で、400Vで最大120V/nsのノイズ耐性(dv/dt)を備えています。
       
「STP65N045M9」および「STP60N043DM9」は現在量産中で、両製品ともにTO-220パッケージで提供されます。2022年第2四半期末に販売代理店での販売を開始する予定で、STP65N045M9の単価は1000個購入時に約6.30ドルです。2022年後半には、表面実装型パッケージとスルーホール型の標準パッケージンも追加される予定です。
       
詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
https://www.st.com/ja/power-transistors/mdmesh-m9-series.html?icmp=tt26489_gl_pron_may2022