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SEMIジャパン、実用化が近づく量子コンピュータの協議会設立

2022.6.7  3:49 pm

SEMI

情報共有と技術交流を促進させ、新たな事業機会創出を目指す

SEMIジャパン(所在地:東京都千代田区)では、この度「SEMI量子コンピュータ協議会」を設立いたしました。量子コンピュータは、デジタルコンピュータとは全く異なる量子力学的な現象を応用した新しいコンピュータであり、現在のコンピュータでは計算が困難な問題(*1)を解決することが期待されています。その中心となる量子チップは、多くが半導体デバイスの製造技術を利用して製造されており(*2)、高集積化に向けて全世界で研究開発が進められています。
        
SEMIジャパンでは2020年よりSEMICON Japanにおいてセミナーやパビリオン展示を行うなど、量子コンピュータ技術に注目し紹介してまいりましたが、この度、半導体製造装置・材料を供給するSEMI会員企業と量子関係者との協議会を設立し、5月18日にキックオフ会議を開催いたしました。本協議会の委員長には、blueqat株式会社 CEO/CTO 湊 雄一郎(みなと ゆういちろう)氏、JSR株式会社 マテリアルズ・インフォマティクス推進室長 永井 智樹(ながい ともき)氏の2名が就任しました。
         
協議会の目的は、将来のコンピューティング技術として期待されている量子コンピュータについて、SEMI会員企業と量子コンピュータ関係者とのコミュニケーションと情報共有を促進し、さらには技術交流ならびに協力を通じた事業化の促進を図り、SEMI会員企業の新たな事業機会の創出を目指すものです。設立には、国内半導体サプライチェーン企業、研究機関10社/団体が参加しており、今後はさらにメンバーを拡大する予定です。
        
SEMI量子コンピュータ協議会設立について、SEMIジャパン 代表 浜島 雅彦は次のように述べています。
「本協議会を設立できたことを大変嬉しく思います。世界全体のデジタル化が進行する中で半導体不足が生じていますが、社会が必要とするコンピューティングパワーは今後も増え続けるでしょう。半導体デバイスの製造技術を利用する量子コンピュータが大きなブレークスルーとなることを期待しています。現在は金融や創薬、材料科学業界の動きが活発ですが、汎用機の実用化と共にその用途は一気に広がり、SEMI会員企業の新たな活躍の場となると考えています」
               
*1) 大量のデータの組み合わせ最適化や、因数分解などがその例です。
*2) 現在開発されている量子コンピュータの量子ビットには、超電導、イオントラップ、光子、電子スピンなどの方式がありますが、いずれの量子チップも大半が半導体微細加工技術を応用して製造されています。
        
SEMI www.semi.org