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Nexperiaが保護と性能をバランス良く兼ね備えたUSB4 ESDデバイスを発表

2022.6.15  6:35 pm

Nexperiaが保護と性能をバランス良く兼ね備えたUSB4 ESDデバイスを発表

TrEOSベースの保護で業界をリードする挿入/反射損失を実現し、厳しいシステム要件にも対応

Nexperia(本社:オランダ、ナイメーヘン)は、高速データライン上におけるリタイマとリドライバの利用に最適化した静電放電(ESD)保護デバイス2製品を発表しました。PESD2V8Y1BSFはUSB4(Thunderbolt)インターフェース保護用で、PESD4V0Y1BCSFはUSB4とHDMI 2.1の両方の使用に対応しています。2製品は低いクランプ電圧、低いキャパシタンス、高い堅牢性を兼ね備えたNexperiaの定評あるTrEOS技術を使用しています。
       
リタイマとリドライバは高速USB4インターフェースで広く使用されていますが、基板配線が短くなるため、寄生インダクタンスが低下し、システム全体のESD堅牢性の低下という意図せぬ結果が生じます。PESD2V8Y1BSFとPESD4V0Y1BCSFは低very fast Transmission Line Pulse (vfTLP)クランプ電圧で、標準I(V)TLP曲線に見られるトリガ電圧のないUSB4保護ソリューションよりさらに低い電圧を実現しました。そのため保護デバイスとリタイマの間のインダクタンス低下が相殺され、システム全体のESD堅牢性が向上します。ESDデバイスによる許容損失を推奨範囲に収めるため、2つのデバイスは極めて低い挿入損失(10GHz時に-0.29dB)と反射損失(10GHz時に-20.6dB)を実現しています。他のソリューションと異なり、新製品は動作電圧の上昇とともにキャパシタンスが増加せず、逆スタンドオフ電圧まで完全なRF性能を発揮します。
        
PESD2V8Y1BSFとPESD4V0Y1BCSFは保護対象デバイスのコネクタのすぐ隣に配置できるため、他のESD保護デバイスよりも設計の柔軟性に優れています。これはAC結合キャパシタンスも保護されることを意味します。さらに、大部分の線路インダクタンスをESD保護と保護対象デバイスの間に配置しており、システムESD性能を最適化することが可能です。
Nexperiaのシニア・プロダクト・マネージャーのStefan Seiderは、次のように述べています。
「Nexperiaの新デバイスにより、ESD保護がシステム全体の制約に与える影響を最小限に抑えるため、高速USB4データラインの挿入損失と反射損失の両方における厳しい要件に対応した設計が可能になります。両デバイスはシステムレベルのESDの堅牢性とRF性能をバランス良く最適化します」。
       
USB Type-C経由での接続が可能なUSB3.2などの古いインターフェース規格との後方互換性を維持するため、PESD2V8Y1BSFは2.8Vの逆スタンドオフ電圧VRWMを持っています。また、PESD4V0Y1BCSFは4VのVRWMを持っており、HDMI 2.1にも適しています。両デバイスに使用しているTrEOSのRF性能は全動作電圧範囲にわたって低下しません。USB4、HDMI 2.1以外でも、両製品はPCIeインターフェースやDisplayPortインターフェースに使用可能です。
                  
新保護デバイスの製品仕様、データシートなど詳細
https://www.nexperia.com/USB-C_ESD
https://efficiencywins.nexperia.com/efficient-products/Selecting-ESD-protection-for-USB4TM-data-lines.html