SOLUTION
AMDがキヤノンの画期的な自由視点映像システムでリアルタイムのエッジAI処理を実行、スポーツ中継を変革
2022.6.29 6:28 pm
Versal AI Coreシリーズを採用したキヤノンのカメラシステムにより、世界中の一流スポーツ施設で臨場感のある革新的なライブ放送視聴体験が実現
AMD(米国本社:米カルフォルニア州サンタクララ)は本日、スポーツのライブ放送やウェブキャストの視聴体験に革命を起こすと期待されているキヤノンの自由視点映像システムに、AMD AI Engineテクノロジーを搭載したVersal™ AI Core(*1)シリーズが採用されたことを発表しました。Versal AI Coreデバイスは、機械学習(ML)ベースの強力なエッジ映像処理をキヤノンのカメラシステムにもたらします。
*1) https://japan.xilinx.com/products/silicon-devices/acap/versal-ai-core.html
キヤノンの自由視点映像システムは、スタジアムやアリーナを取り囲んで配置された高解像度カメラで構成され、スタジアム内のあらゆる位置や角度から見たフィールド上のプレー映像を放送視聴者に配信できます。この革新的なテクノロジーにより、スポーツの視聴方法が劇的に変化し、フィールドの中でプレーを見ているような体験を提供します。キヤノンの自由視点映像システムは、米国の複数のプロ用バスケットボールアリーナや、世界中の一流スポーツ施設に導入される見込みです。
キヤノンの専務執行役員兼イメージンググループ管掌である山田昌敬氏は、次のように述べています。
「このシングルチップのVersalソリューションを導入することで、当社のシステムは我々が想像していた以上のことをリアルタイムで行えるようになります。Versal AI Coreの強力なエッジ処理能力により、複数の機能を同時に働かせることができるようになるため、放送事業者は臨場感のある新しい視聴体験を提供することが可能になります。」
Versal AI Coreシリーズによって実現する高性能の超低レイテンシー処理により、画像処理に要する時間が大幅に短縮されるため、従来のアーキテクチャーでは数分要していたライブリプレイ映像の生成を、ほぼリアルタイムで行えるようになります。このテクノロジーにより、これまでに見たこともない並外れた映像が、世界中の放送視聴者に提供されることになります。また、放送局は、試合や選手の統計データなど、ライブイベント中に測定されたデータを収益化することができます。
キヤノンの技術は、AIベースのインテリジェントな映像処理をエッジで今後実行予定です。これにより、データセンターにおけるワークロードが削減されます。Versal AI Coreは、施設に設置されるキヤノン製カメラの背後にある画像処理システムに搭載され、エッジでMLを駆使してキヤノン独自の画像検出アルゴリズムや、セグメンテーションアルゴリズムを実行できるようになります。
AMDのアジア太平洋地域担当バイス・プレジデントであるヨーセフ・カリロラヒは、次のように述べています。
「ライブ放送中のエッジ側での機械学習の実行は、業界初の素晴らしい試みとなります。キヤノンのカメラシステムは、本当に試合の中にいるような、これまでにない臨場感を視聴者に提供します。Versal AI Coreシリーズは、キヤノンの最先端システムの要として、スポーツ中継の新時代を切り開く上で重要となる、低レイテンシーのエッジ処理を実現します。」
・Versal AI Coreシリーズの詳細
https://japan.xilinx.com/products/silicon-devices/acap/versal-ai-core.html
・自由視点映像システムの詳細
https://global.canon/ja/technology/frontier18.html
AMD
http://www.amd.com/ja-jp