SOLUTION
STマイクロエレクトロニクスとSensory、STM32Cube開発エコシステムによる組込み音声制御のマス・マーケット普及に向けて協力
2022.7.11 4:01 pm
STM32マイコンとSensoryのVoiceHub技術を組み合わせ、ウェアラブル機器、IoT機器、スマート・ホーム機器の音声ユーザ・インタフェース開発を効率化
STマイクロエレクトロニクスと、組込み音声認識技術のリーディング・プロバイダでST認定パートナー企業であるSensory Incは、音声ユーザ・インタフェースの開発で協力することを発表しました。これにより、STM32マイクロコントローラ(マイコン)のユーザは、さまざまなスマート組込み製品に対応し、直感的に操作できる音声ユーザ・インタフェースの試作開発ができるようになります。
STとSensoryは、STのSTM32マイコンおよびソフトウェアに、Sensoryの音声制御技術を組み合わせて音声ベースのユーザ・インタフェースを実現します。今回使用される音声制御技術には、新しいオンライン・ポータル「VoiceHub」も含まれており、カスタム・ウェイク・ワード、音声制御コマンド・セット、約20言語 / 方言の自然言語文法を用いた組込み音声認識モデルのシームレスな構築を可能にします。
STM32Cube拡張ソフトウェア・パッケージをベースとするこの音声ユーザ・インタフェースは、超高性能STM32H7マイコン上で動作し、そのアーキテクチャや内蔵Flashメモリ、SRAM、高速CPUを活用します。これにより、高い音声制御の精度および最小限のコマンド認識時間を実現します。
音声アプリケーションと音声認識モデルは、高性能なSTM32マイコンに内蔵された大容量メモリにホストされるため、システム統合や使いやすさの向上、および所有コストの削減に貢献します。
STのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼汎用マイクロコントローラ・サブグループ バイスプレジデントであるRicardo De Sa Earpは、次のようにコメントしています。
「今回の協力により、組込み音声ユーザ・インタフェースの開発が加速され、ウェアラブル機器からスマート・ホーム機器まで、幅広い機器にスムーズなコマンド操作とカスタム・ウェイク・ワードを追加できるようになります。STとSensoryが持つ技術の相乗効果により、STM32マイコンのユーザは、プログラミング、データ・サイエンス、機械学習に関する専門知識がなくても、エッジでの音声AIを実現できるでしょう。また、試作開発は無償で行うことができ、量産時には有利なライセンス条件が適用されます。」
Sensoryの最高経営責任者(CEO)であるTodd Mozerは、次のようにコメントしています。
「Sensoryが開発したVoiceHubにより、迅速かつ簡単にカスタム音声認識辞書モデルを作成できるようになりました。一方で、カスタム音声認識辞書モデルの作成後も、ハードウェアへの辞書モデル統合やライセンス条件に合わせた移行といった課題が残されています。今回のSTとの世界的な提携により、STM32ファミリ全体で組込み音声認識用の包括的なソフトウェア / ハードウェア / ライセンス・パッケージが構築され、音声ユーザ・インタフェースを簡単に追加できるようになります。」
音声ユーザ・インタフェース用の新しいソフトウェア・パッケージはSTのウェブサイトから入手可能です。
https://www.st.com/ja/embedded-software/x-cube-localvui?icmp=tt26986_gl_pron_jun2022
Sensory Inc.について
Sensory Inc.は、画像・音声技術を通じて、より安全で優れたユーザ体験を提供します。Sensoryの技術は、スマートフォン、車載機器、ウェアラブル機器、玩具、IoT機器、PC、医療機器、生活家電など、幅広いコンスーマ向け機器に採用されています。製品ラインアップには、TrulyHandsfreeボイス・コントロール、TrulySecure生体認証、大語彙自然言語が組み込まれたTrulyNatural音声認識が含まれています。Sensoryの技術は、これまでに30億台を超える主要コンスーマ向け機器に搭載されています。
STマイクロエレクトロニクス
https://www.st.com