SOLUTION
インフィニオンのCoolSiC™デバイスがデルタ社の双方向インバーターに採用、電気自動車の緊急時におけるバックアップ電源化を実現
2022.8.5 5:47 pm
インフィニオン テクノロジーズのCoolSiC™製品が、台湾に拠点を置く電力・エネルギー管理ソリューションの世界的リーディングプロバイダーであるデルタ電子社 (以下デルタ社) に採用され、グリーン電力によるエネルギー転換とカーボンニュートラルに向けて大きく前進しました。デルタ社は、太陽光発電、蓄電、電気自動車(EV)充電の3つを統合したハイブリッド3 in 1システムである双方向インバーターの開発に成功し、EVを家庭用緊急バックアップ電源にすることを実現しました。
インフィニオンの1200V M1H CoolSiC EasyPACK™ 1B モジュールと1200V CoolSiC D²PAK 7-pin(表面実装デバイス)を採用した双方向インバーターは、電気自動車(EVや家庭用バッテリーを充電するための電力を供給しながら、不慮の停電時のバックアップ電源や高効率のグリーンエネルギー制御の中核として利用することができます。3つのアプリケーションを統合した、この画期的な3 in 1システムは、わずか425 x 865 x 160 mm3のコンパクトなサイズを実現しています。約10kWの出力で、最大34Aの連続電流を導通可能にし、97.5%以上のピーク効率を達成しました。
デルタ社のPVインバーター事業部のディレクター、レイモンド リー(Raymond Lee)氏は「インフィニオンは、長年にわたりパワー半導体と電力効率化の開発を先導してきた信頼のブランドです。同社のデバイスにより、3つのアプリケーションを1つのシステムに統合することができ、グリーンエネルギーに向けて大きな飛躍を遂げることができました」と述べています。
インフィニオンのインダストリアルパワーコントロール(IPC) 事業部のプレジデント、ピーター バーウァー (Peter Wawer) は「カーボンニュートラルに向けて大きなマイルストーンとなるこのプロジェクトの中心的な役割を担えることを誇りに思います。インフィニオンとデルタ社の長期的なコラボレーションを楽しみにしており、当社のデバイスがこのスマート エネルギー ソリューションに貢献できることを誇りに思います」と述べています。
3 in 1システムを構築するために不可欠な要素の1つである、NTC温度センサーとPressFITコンタクト技術を統合した1200V M1H CoolSiC EasyPACK 1Bモジュール (F4-23MR12W1M1_B11) が最大限の柔軟性と高電流密度を提供します。クラス最高のパッケージ技術とCoolSiC MOSFETの組み合わせによる、スイッチング損失と導通損失を最小限に抑えた低インダクタンス設計を特徴としています。さらに、お客様側で高スイッチング周波数での駆動が可能なため、より小型なシステム設計が可能になります。EasyPACKモジュールは、開発期間を最適化し、お客様の総コストを削減するのに役立ちます。
このシステムにはほかにも、CoolMOS™ C7およびTRENCHSTOP™ 5 IGBT技術を使用したデバイスなど、インフィニオンのいくつかのコンポーネントが採用されています。さらに、表面実装デバイス (SMD)パッケージであるD²PAK 7ピンの1200V CoolSiC MOSFET (IMBG120R350M1H) もこのシステムの一部となっています。このデバイスは、クラス最高の熱特性を実現する.XT相互接合技術、およびケルビン ソース端子を採用しています。MOSFETの非常に低いスイッチング損失によって、システムの効率を向上させます。
このMOSFETはは短絡耐量 3μsで、完全なスルーレート (dV/dt) 制御と4.5Vの基準ゲートしきい値電圧 (VGS(th)) という特性を有しています。また、寄生ターンオンにも強く、ターンオフ電圧は0Vで動作可能です。さらに、このMOSFETはハード スイッチングを可能にする堅牢なボディ ダイオードを内蔵しています。パッケージの沿面距離と空間距離は6.1mmです。さらに、SMDパッケージにより、ヒート シンクを追加することなく、自然空冷のPCBに直接統合することができます。
インフィニオンの「エネルギー効率」
https://www.infineon.com/cms/jp/about-infineon/energy-efficiency-technologies/