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STマイクロエレクトロニクスがモータ・コントローラおよび量産に使用可能な基板を採用したモータ・ドライバ用リファレンス設計発表

2022.8.23  3:25 pm

STマイクロエレクトロニクスがモータ・コントローラおよび量産に使用可能な基板を採用したモータ・ドライバ用リファレンス設計発表

STマイクロエレクトロニクスは、システム・イン・パッケージ(SiP)として提供される3相BLDCモータ・コントローラ「STSPIN32」を搭載し、産業機器および生活家電のコンプレッサ用モータ・ドライバの開発を簡略化するリファレンス設計「STEVAL-CTM011V1」および「STEVAL-CTM012V1」を発表しました。これらのリファレンス設計には、モータへの電力供給用の3相インバータを備えたモータ・コントローラ、オフライン・コンバータ、および集積回路が集積されています。また、量産向けに使用可能なプリント基板とモータ制御用ファームウェアも含まれています。
      
「STEVAL-CTM011V1」は、250Wまでの一般的な産業用コンプレッサに最適で、「STEVAL-CTM012V1」は生活家電に適用される厳しいエコ設計規格に対応しています。両製品ともに、ホスト・システムと簡単に組み合わせて、モータの駆動をすぐに始めることができ、ユーザが設定を調整することで最適な性能を得られるターンキー・ソリューションです。いずれも、96.5%以上の平均効率を達成しています。
      
両製品の中核であるモータ・コントローラ「STSPIN32F0601Q」は、Arm® Cortex®-M0搭載STM32F031マイコンを搭載しているため、エンド・アプリケーションの仕様に応じてモータ制御をカスタマイズ可能です。
また、インバータ用の堅牢性に優れた600V 3相ゲート・ドライバを搭載しています。付属のファームウェアには、センサレスの高効率ベクトル制御(FOC)が含まれています。STSPIN32F0601Qには、小型で熱効率に優れたクワッド・フラット・ノーリード(QFN)パッケージが採用されており、広い沿面距離によって高い安全性と信頼性要件に対応します。
       
オフラインのAC/DCコンバータには、800V耐圧のパワーMOSFETとPWMコントローラを内蔵したアナログ・コンバータ「VIPER122」が使用されています。周波数ジッタリング機能によって他の機器との干渉を防ぐとともに、低消費電力や軽負荷時のバースト・モード動作により、省エネ規制への対応に貢献します。
       
250Wの産業および汎用アプリケーションに最適なSTEVAL-CTM011V1は、堅牢性に優れた絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ(IGBT)「STGD5H60DF」を6個使用して構成されたインバータ段を備えています。STGD5H60DFは、高いスイッチング周波数で効率を最大化するよう設計されており、容量性部品や磁気部品の小型化に貢献します。また、パッケージの熱抵抗が低いため信頼性が高く、パラメータ分布のばらつきがきわめて小さいため、大電力アプリケーションにおいて安全な並列動作が可能です。
       
生活家電に最適なSTEVAL-CTM012V1には、600V耐圧のNチャネル・パワーMOSFET「MDmesh(TM) DM2シリーズ」の「STPOWER STD8N60DM2」が6個搭載されています。STPOWER STD8N60DM2は、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)位相シフト・コンバータなどの高効率コンバータに最適で、高速かつ低損失のスイッチング性能および低オン抵抗を備えています。
     
また、量産に使用可能なプリント基板により、開発期間を大幅に短縮し、基板レイアウトや信号配線といった複雑な作業を削減することができます。基板外形も小型(11.2 x 7.5cm)のため、産業機器および生活家電のフォーム・ファクタ要件に対応可能です。
      
詳細
https://www.st.com/ja/evaluation-tools/steval-ctm011v1.html?icmp=tt27605_gl_pron_jul2022