SOLUTION
IARシステムズがより小さいコードサイズで高性能を実現 最新のIAR Embedded Workbench for RISC-VでAndes Technology社のCoDense™を活用
2022.11.17 5:13 pm
IAR Embedded Workbench for RISC-V v3.11とAndeStar™ V5 RISC-Vプロセッサの拡張機能CoDense™によりコードサイズを縮小しアプリケーションの性能を向上
組込みシステム開発用のソフトウェアツールとサービスのサプライヤとして世界をリードするIARシステムズ株式会社(本社:スウェーデン、ウプサラ市、日本法人:東京都千代田区)は、IAR Embedded Workbench for RISC-Vの最新リリース版で、Andes Technology社の AndeStar™ V5 RISC-VプロセッサのCoDense™拡張機能をフルサポートすることを発表しました。CoDense™は、プロセッサのISA(Instruction Set Architecture:命令セットアーキテクチャ)の特許取得済みの拡張機能であり、IARツールチェーンによるコンパクトなコード生成を支援します。CoDense™を使用することで、ターゲットプロセッサ上のフラッシュメモリ使用量を節約できると同時に、既にサポートしているAndeStar™ V5のDSP/SIMDおよびPerformance extensionにより、アプリケーションの性能を高めることが可能です。
IARシステムズは、早い段階からAndesCore™ RISC-V CPU IPをサポートしており、パワフルなIAR C/C++ Compiler™や包括的なデバッガを備えた完全統合型の開発ツールチェーンを提供しています。このツールチェーンには、ISO 26262に準拠した機能安全認証版も含まれています。
Andes Technology社はRISC-V Internationalの創設プレミアメンバーで、高性能/低消費電力の32/64ビット組込みプロセッサ用IPソリューションのリーディングサプライヤです。Andes Technology社とIARシステムズの共同ソリューションは、安全なアプリケーションを実現するために堅牢設計を採用しているため、顧客は認証プロセスを含めた開発をスピードアップでき、製品のより迅速な市場投入が可能となります。
AndeStar™ V5 のCoDense™は、拡張可能なRISC-V標準命令に上乗せするコードサイズ圧縮用のAndes Technology社の拡張機能です。この拡張機能は、AndeStar™ V3プロセッサを搭載した100憶を超えるSoCで実証済みです。最新バーションであるIAR Embedded Workbench for RISC-V v.3.11は、CoDense™のサポートに加えて、"P" extension 0.9.11(Standard Extension for Packed-SIMD Instructions)にも対応しており、より強力なSMP(Symmetric Multi-Processing)とAMP(Asymmetric Multi-Processing)によるマルチコアデバッグが可能です。さらに開発者はVisual Studio Code用のIAR Build およびIAR C-SPY Debugの新しい拡張機能の恩恵を受け、IARシステムズの強力なツールを使用してVisual Studio Codeエディタ内でコードのビルドやデバッグを行うことが可能です。
クラス最高のコードサイズ最適化機能を備えたIAR Embedded Workbenchは、RISC-V開発者から高い評価を受けており、より小型のデバイスを使用でき、既存のプラットフォームに機能を追加することも可能です。コード生成にはツールチェーン最先端の最適化技術が採用されており、その高速性と業界トップクラスの性能は EEMBC Certification LabによるCoreMarkテストで実証済みです。製品に含まれているC-SPYデバッガを使えば、アプリケーションをリアルタイムにフル制御できます。その際に有用なのが、複合ブレークポイント、プロファイリング、コードカバレッジ、割込みによるタイムライン、電力のロギング機能です。完全統合されたコード解析ツールにより、共通脆弱性タイプ一覧 CWE(Common Weakness Enumeration)やCERT C セキュアコーディングスタンダードなどのベストプログラミングプラクティスへの対応はもとより、MISRA C (2004および2012) のような特定の規格に対して確実に準拠することができます。
IAR Embedded Workbench for RISC-Vは、機能安全開発そのものが認証を受けており、車載用および産業用アプリケーション規格を含む10個の規格に対応するセーフティガイドとセーフティレポートが提供されます。
Andes Technology社 社長兼CTOを務めるCharlie Su博士は、次のように述べています。
「IARシステムズの今回のリリースで、AndeStar™ V5 RISC-Vプロセッサがフルサポートされたことを嬉しく思います。とりわけ、特許取得済みのCoDense™の拡張機能が追加対応されたことで、CoDense™によるコード密度の増加率は2桁台に上り、MCUやIoTアプリケーションにおいて有効に使用可能となりました。IAR Embedded Workbenchと、最大30%性能をアップしたAndeStar™ V5 RISC-V 拡張機能を組み合わせてRISC-Vコミュニティで利用いただけるようになり、今後その高い競争力が発揮されることを楽しみにしています」
IARシステムズでCTOを務めるAnders Holmbergは、次のように述べています。
「Andes Technology社との緊密な協業により、弊社はAndeStar™ V5のDSP/SIMDおよびPerformance extensionを早い段階からサポートしてきましたが、今回、Andes CoDense™をフルサポートするにあたり、コードサイズ圧縮機能をRISC-V C拡張機能に追加することができました。コードサイズと性能のバランスにより、製品あるいはプロジェクトへの投資によるトータルリターンが大きく変わってきます。CoDense™に対するサポートにより、ユーザはこのバランスを自身にとって有利に変えることができるでしょう」
IAR Embedded Workbench for RISC-V、ツールスイートの機能安全認証版、IARシステムズのRISC-V向け製品全般の詳細
https://www.iar.com/riscv
IARシステムズ
www.iar.com/jp