SOLUTION
AMDがアイシンの次世代自動駐車支援(APA)システムに採用
2022.11.17 4:37 pm
Deep Learning Processorを備えたAMD Zynq UltraScale+ MPSoCオートモーティブ・プラットフォームが、自動駐車システム向けに低レイテンシーかつAIベースの画像処理を実現
AMD(米国本社:米カルフォルニア州サンタクララ)は本日、AMD Xilinx Automotive(XA) Zynq® UltraScale+™ MPSoCプラットフォームが、株式会社アイシン(本社:愛知県刈谷市)の次世代自動駐車支援(APA)システムに採用されたことを発表しました。高い適応性を持つXA Zynq UltraScale+ MPSoCプラットフォームは、アイシンのAPAシステムにおいて、歩行者、車両、空きスペースを効率的かつ超低レイテンシーで検出することを可能にします。このAPAシステムは、2024年モデルより量産される予定です。
アイシンのAPAシステムのカメラに導入されるXA Zynq UltraScale+ MPSoCプラットフォームは、高性能なArm®ベースのマルチコア、マルチプロセッシング・システムと、ASICクラスのプログラマブル・ロジックを組み合わせたものです。これには、畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)処理用のDPU(Deep Learning Processor Unit)など、システムのニーズに合わせて最適化することが可能なカスタム・コプロセッサが含まれています。これにより、アイシンのAPAシステムでは、機械学習ベースのシーン・セグメンテーションと物体検知が可能になります。また、XA Zynq MPSoCプラットフォームは、処理効率を最大化し、グラフィックスやビデオのパイプライニングなどの重要な機能を専用の処理ブロックにオフロードすることを可能にします。これらによって、低レイテンシー画像処理が実現します。
アイシンのAPAシステムは、車両に搭載される4台のカメラと12台の超音波センサーにより周囲の環境を認識し、運転ルートを算出します。その算出されたルートをもとに、システムが車両を制御し、自動駐車を行います。さらに、アイシンのAPAシステムでは、万一の衝突時において自動緊急ブレーキが自動的に作動します。
アイシンの走行安全カンパニーPresidentである大下 守人氏は、次のように述べています。
「当社が考えるAPAシステムは、複雑なAIを活用したものです。アイシンでは高性能かつ低レイテンシーを実現するSoCを求めており、AMD Xilinx XA Zynq UltraScale+ MPSoCプラットフォームはそれに応えるものでした。基本的なサラウンドビュー・システムによって、駐車を行う際の負担は一部軽減されましたが、新しいAPAシステムでは、狭いスペースでの駐車の負担を大幅に軽減します。このソリューションの開発に着手し、お客様にお届けできることをうれしく思っています。」
AMDのコアバーティカル・マーケット担当コーポレート・バイスプレジデントであるハネケ・クレケルスは、次のように述べています。
「サラウンドビュー・システムは、基本的なビデオ・スティッチングとグラフィック・オーバーレイによりドライバーを視覚的に支援してきました。今では、AIを使用して、自ら駐車可能な存在となった車の進化を実現しています。当社の適応性のあるZynqプラットフォームによって、この市場のニーズを支援するという、非常に大きなビジネス機会があると考えています。革新的なアプローチにより業界を牽引するアイシンは、自動車メーカーごとの必要条件に応じて柔軟に各仕様を適合させて、新たなAPAシステムを設計しました。これにより、AMD Zynq MPSoCが備える適応性は、今後の設計において機能性向上をさらに進めるためのアップグレード・パスを提供していることが明確に示されました。」
・自動車業界におけるAMDについて
自動車業界においてイノベーションが加速する中、高性能な演算、アクセラレーターおよびグラフィックス・テクノロジーに対するニーズはますます高まっています。AMDは、業界で最も幅広い高性能CPU、GPU、FPGA、適応型SoCを備え、転換期を迎える自動車業界において最前線に立っています。車載インフォテインメント・システムから先進運転支援システム、自律走行、機能安全が最も重要となるネットワーキング・アプリケーションまで、AMDは自動車メーカーにシリコンおよびソフトウェア・ソリューションのワンストップ・サービスを提供しています。
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