キーサイトがAltium社にPCB設計ソリューション向けシミュレーションソフトウェア技術をライセンス供与

キーサイト・テクノロジーズ・インク（米国カリフォルニア州サンタローザ、日本法人：キーサイト・テクノロジー株式会社、以下「キーサイト」）は、Altium LLC (ASX:ALU、以下「Altium」)が、PCB設計者向けの電力配電解析ソリューションを開発するために、キーサイトの先進電磁界シミュレーション技術のライセンスを取得したことを発表しました。キーサイトとAltiumは、パワーインテグリティーの専門家ではないハードウェアエンジニアのニーズに対応するために提携しています。
　　　　　　
信頼性の高い配電設計は、PCB設計者が直面する一般的な問題です。集積回路(IC)コンポーネントは、電力効率を高めるために供給電圧を下げる傾向にあり、PCBの電源プレーンを許容範囲内で縮小設計することが困難になっています。設計者は通常、プロトタイプを数回繰り返し作成するか、パワーインテグリティーの専門家に設計を依頼します。どちらも最適とは言えないアプローチで、設計を迅速に進める妨げになっています。PCB設計者が最初のプロトタイプを作る前に問題を見つけ修正することで、設計プロセスにおける生産性の改善、市場投入までの時間の短縮、予測可能性を向上できます。
　　　　　　　　
パワー・アナライザーは、Altiumとキーサイトの戦略的パートナーシップから生まれた最初の製品で、パワーインテグリティーに関する問題のインタラクティブな解析を提供します。Altiumは、キーサイトのEMシミュレーション技術を最新のグラフィカル・ユーザー・インタフェースと統合し、パワー解析を高速、正確、かつ容易に実行できるようにしました。パワー・アナライザーを使用する PCB 設計者は、PCB レイアウト環境内から電圧降下と電流密度を解析することで、電源プレーンの性能を把握できます。
　　　　　　
Altiumのシニア営業ディレクターのTom Bastanzaは、次のように語っています。
「多くのPCB設計者は、設計がより高密度で複雑になるにつれて、増え続けるパワー解析の課題に直面しています。 お客様は、パワーインテグリティーの問題を早期に把握し、設計サイクルの後半でプロトタイプの作り直しを回避できる製品を求めています。パワー・アナライザーは、キーサイトのシミュレーションと解析の専門知識を活用して問題を特定し、時間を節約できます。これにより、ハードウェアエンジニアは信頼するAltiumの PCBレイアウト環境で問題を自身で確認し、修正できるため、配電ネットワークのデザイン検証を専門家に依頼する必要がなくなります。」
　　　　　
キーサイトのPathWave Software Solutionsでバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるNiels Fachéは次のように述べています。
「この技術統合パートナーシップは、シミュレーション技術を民主化し、多くのハードウェアエンジニアのワークフローをデジタル化することを目的としています。設計者は、設計プロセスの初期段階で配電ネットワークの重要な問題を特定できる、確立されたシミュレーションアルゴリズムに容易にアクセスできます。パワー・アナライザーは、キーサイトのシミュレーションをPCB設計者に直接提供し、インテリジェントなトレードオフと開発サイクルの短縮を実現します。」

キーサイト・テクノロジー
www.keysight.co.jp