SOLUTION
STマイクロエレクトロニクスがEVの性能向上と航続距離の延長に貢献するSiCパワー・モジュール発表
2023.1.17 5:54 pm
現代自動車社の複数の車両モデルに使用されているEVプラットフォーム「E-GMP」にSTの高効率ACEPACK DRIVEパワー・モジュールが採用
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、電気自動車(EV)の性能向上と航続距離の延長に貢献する高電力のSiC(炭化ケイ素)パワー・モジュール5製品を発表しました。これらの製品は、KIA EV6など複数の車両モデルに使用されている現代自動車社のEVプラットフォーム「E-GMP」に採用されています。
新しいパワー・モジュール5製品は、SiCパワーMOSFETをベースにしています。EVのトラクション・インバータで一般的に使用されている定格電力や動作電圧に対応するため、自動車メーカーに柔軟な選択肢を提供します。また、トラクション・インバータ向けに最適化されたSTの「ACEPACK DRIVE」パッケージで提供され、焼結技術による信頼性と堅牢性を備えており、自動車メーカーは簡単にEV駆動システムに組み込むことができます。
メインのパワー半導体としてSTの第3世代STPOWER SiCパワーMOSFETを内蔵しているため、業界最高レベルの性能指数(オン抵抗 x ダイ面積)に加え、きわめて低いスイッチング損失と優れた同期整流性能を備えています。
STのオートモーティブ & ディスクリート グループ 社長であるMarco Montiは、次のようにコメントしています。
「STのSiCソリューションにより、大手車載機器メーカーは次世代EV開発における自動車の電動化をリードすることができます。STの第3世代SiC技術は、優れた電力密度と電力効率を実現することで、EVの性能向上や航続距離の延長、充電時間の短縮に貢献します。」
STのSiCパワー・モジュールは、EV市場をリードする現代自動車社の最新EVプラットフォーム「E-GMP」に採用されており、KIA EV6に搭載される予定です。現代自動車社のインバータ・エンジニアリング・デザイン・チームのSang-Cheol Shin氏は、次のようにコメントしています。
「STのSiCパワーMOSFETをベースにしたパワー・モジュールは、当社のトラクション・インバータに最適で、航続距離の延長を実現します。STは自動車の電動化イノベーションにおける主要な半導体メーカーを目指しており、その継続的な技術投資を活用し、両社が協力することで、より持続可能なEVの実現に向けて大きく前進しました。」
STは、パワー半導体技術における業界のリーダーとして、世界各地ですでに300万台以上の量産乗用車にSTPOWER SiCパワー半導体を供給しています。SiCパワー半導体は、従来のSi(シリコン)パワー半導体より小型で、高い動作電圧に対応できるため、充電の高速化と車両性能の向上に貢献します。また、電力効率も向上しており、航続距離の延長や信頼性の向上にも貢献します。
SiCパワー半導体は、DC-DCコンバータやトラクション・インバータ、車両からグリッドへの給電が可能な双方向動作のオンボード・チャージャ(OBC)など、幅広いEVシステムに採用されています。STは、垂直統合型の総合半導体メーカーとして独自のSiC戦略に基づき、優れた品質と安定した供給を確保することで、自動車メーカーの電動化戦略に貢献します。2022年10月に発表されたカターニャ(イタリア)の統合型SiCウェハ製造工場は、2023年に生産を開始する予定で、急速に進むeモビリティへの移行をサポートできるよう迅速に対応しています。
STマイクロエレクトロニクス
https://www.st.com