SOLUTION
NXPがMatterデバイスの容易なセキュリティ実装とユーザー・エクスペリエンスの向上を実現する新しいEdgeLockセキュア・エレメントを発表
2023.2.28 7:06 pm
新しいEdgeLock® SE051Hセキュア・エレメントはNFC機能の統合によりスマート・ホームにおけるMatterデバイスのセキュアなオンボーディングを簡素化
NXP SemiconductorsはMatter対応セキュア・エレメント「EdgeLock SE051H」を発表し、業界で最も広範なMatter製品ラインナップをさらに拡充しました。EdgeLock SE051HはNFCを統合したシングル・チップ・ソリューションで、Matterデバイスのセキュアでシームレスなオンボーディングを簡素化し、NFC対応スマートフォンでタップするだけで自動操作の提案、インストールの説明ビデオ、その他のコンテンツなどを提供するスマート・ホーム向けの新しいユーザー・エクスペリエンスを実現します。
最近発表されたMatter規格はCSA(Connectivity Standards Alliance)が策定したもので、スマート・ホーム・ネットワーク内の機器の相互運用性にまつわる問題の緩和を目的としています。暗号化キーペアをはじめとする数々のスマート・ホーム機器向け保護機能、デジタル認証、その他のセキュリティ関連のハードウェアやファームウェアの要件を網羅しており、スマート・ホームのセキュリティ水準を高めます。EdgeLock SE051HはMatterに必要なアルゴリズムや暗号化機能などの要件を満たすよう最適化されているため、機器メーカーは必要なセキュリティ保護機能をエンド・デバイスに容易に組み込むことができます。
NXPの上席副社長 兼 セキュア・トランザクション&アイデンティフィケーション事業部 ゼネラル・マネージャーのPhilippe Duboisは次のようにコメントしています。
「今後のスマート・ホームにおいてセキュリティが非常に重要な要素となるという認識のもと、Matter規格はセキュリティを重視して策定されています。シングルチップのEdgeLock SE051Hによって開発におけるMatter認定スマート・ホーム機器のセキュリティ実装が容易になり、NFCの統合によってエンドユーザーのMatterエクスペリエンスが向上し、機器メーカーはそうしたユーザー・エクスペリエンスに基づいて差別化できるようになります。
EdgeLock SE051Hはコモンクライテリア『EAL 6+』認証を取得済みであり、Matter認定スマートデバイスに必要な暗号化操作をサポートしています。ECC暗号とNIST P-256曲線を使用したMatterデバイス認証と証明書ベースの認証、パスワード認証の鍵交換のためのSPAKE2+アルゴリズムもサポートされています。また、EdgeLock SE051HはECDSA、ECDH、True Random Number Generatorなどの主要なセキュリティ機能を備えており、Matterプロトコルを保護します。さらに、NFCインターフェースとType-4 Tag機能も搭載しています。
製品認証によるスマート・ホームのセキュリティ確保
Matterのセキュリティ要件には、デバイスの真贋を確認してそれが信頼できることを示し、周囲のMatterネットワークと認証接続を確立する「デバイス認証証明書」が含まれています。NXPはCSAから信頼のある製品認証局(PAA)ステータスを付与された最初の半導体メーカーの一つであり、そのEdgeLock 2GOサービスはIoTデバイスのセキュアなプロビジョニングのための柔軟なプラットフォームとなります。EdgeLock 2GOをEdgeLock SE051Hと組み合わせて利用すれば、シリコン製造時に認証情報を直接事前注入したり、エンドツーエンドでセキュリティを確保したOTA(Over-The-Air)で安全に認証情報を提供したりすることができ、サプライチェーン管理の簡素化やMatter規格の準拠が可能です。
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NXP.com/SE051H