SOLUTION
シリコン・ラボがスモール・フォーム・ファクタ・デバイスに最適なBluetooth SoCおよびMCUを新たに発表
2023.3.15 5:09 pm
既にLura Healthが採用、新たなBG27 SoCで歯よりも小型のセンサーを作成し唾液データを収集
シリコン・ラボは本日、最小サイズのスモール・フォーム・ファクタIoTデバイス向けに設計された2つの新しい集積回路ファミリーを発表しました。Bluetoothシステム・オン・チップ(SoC)のxG27ファミリーと、BB50マイクロコントローラーユニット(MCU)です。
xG27およびBB50ファミリーは最小サイズのIoTデバイス向けに設計されており、そのサイズは2mm角から5mm角の範囲となります。これらはIoTデバイス設計者に省電力、高性能、信頼性の高いセキュリティを提供し、xG27ファミリーの場合にはワイヤレス接続も可能です。こうした特長により、xG27 SoCファミリーおよびBB50 MCUは、医療デバイスやウェアラブルデバイス、資産監視タグ、スマートセンサーに加え、電動歯ブラシや玩具などのシンプルな家電製品まで、小型で最適化されたバッテリー駆動デバイスへの使用に最適な製品となっています。
シリコン・ラボのCEOであるマット・ジョンソン(Matt Johnson)は次のように述べました。
「シリコン・ラボはIoTを専業とするリーダー企業であり、当社の対応力、製品の深み、集約力により、他の半導体企業に比べ、最も広範なワイヤレス接続プロトコルをサポートしています。xG27 SoCsおよびBB50 MCUは、超小型デバイスにおける省電力とスモール・フォーム・ファクタの要件を維持しつつ開発プロセスを簡素化し、新しく優れたデバイスを構築しようとする開発者を効果的に支援します」
xG27 SoCが世界最小レベルのウェラブルデバイスに接続
新たなxG27 SoCファミリーは、Bluetooth接続用のBG27と、Zigbeeおよびその他の独自プロトコル対応のMG27で構成されています。ARM Cortex M33プロセッサで構築されたBG27およびMG27は、スモール・フォーム・デバイスに最適なSoCとして、以下の機能を共通して有しています:
- ウェーハレベルのチップスケールパッケージは、2.3mm×2.6mmと小型で、医療用パッチ、持続的血糖値モニター、ウェラブル心電図、小売や農業などさまざまな場面で用いる資産タグなど、コンパクトで目立たないデバイスに最適です。
- 統合DCDCブーストは、デバイスを0.8Vの低電力で動作させることが可能であり、それによりデバイスサイズ、フォーム・ファクタおよびコストを削減できます。
- 統合クーロン(電荷)・カウンターは、アプリケーション使用中の電池の消耗を防ぐための電池レベルのモニタリングを可能にし、ユーザーエクスペリエンスと製品の安全性を高めます。
- Silicon Labs Secure Vaultによる高度なセキュリティに加え、セキュアブートとデバッグのためのVirtual Security Engine(VSE)を搭載し、グリッチ攻撃に対する堅牢化、改ざん防止、およびデバイスとユーザーデータをローカルおよびリモートのサイバー脅威から保護する追加機能を兼ね備えています。
- シェルフモードは電池使用量を20ナノアンペア未満に削減し、デバイスの輸送と店頭に並ぶ間もバッテリー駆動時間をほぼ減らすことなくエンドユーザーに届けられます。
医療機器メーカーであり、BG27のアルファプログラム参加企業であるLura Healthは、この新型のSoCを開発中の新たなスマートウェアラブルデバイスのベースとして既に導入済みです。しかし手首などの皮膚上に装着する一般的なウェアラブルと異なり、新たなLura Healthモニターは口腔内に装着します。デバイスは極小であるため、歯に接着されるのです。このデバイスにより、歯科医などの臨床医は唾液から重要なデータを収集し、1000以上の項目による健康状態チェックが可能になります。
Lura Healthの共同創設者兼CTOであるノア・ヒル(Noah Hill)氏は次のように述べています。
「BG27は驚異的な製品です。非常に小型で、当社が開発する歯よりも小さなIoTセンサーにも十分なサイズです。消費電力はバッテリー駆動時間を製品の制約として考えずに済むほど低く、洗練されたファームウェアアプリケーションを問題なく保存できるメモリがあります。モニタリング対象から洞察に満ちた情報を得るために必要なデータ分析が可能で、センサーのインターフェースに必要なあらゆる周辺機器を備えています。当社のニーズを満たすマイクロコントローラを探すため何百時間もの膨大な時間を要しましたが、BG27はすべての要件を満たす唯一のソリューションです」
BG27およびMG27は、アプリケーションとユースケースの可能性の幅を広げます。[1]
新たなBB50 8ビットMCUが、コストと複雑さを減らし、設計をさらに柔軟に
IoTはコネクティビティを重視するものですが、多くのデバイスは接続する必要がなく、接続デバイスであっても接続されない場合があります。
例えば商用照明では、必要なアプリケーションは環境光や占有センサーに基づく、単純な照明制御メカニズムです。消費財分野では近年多くの電動歯ブラシメーカーが自社製歯ブラシにコネクティビティを組み込み、ユーザーに歯磨き習慣に関するリマインダとブラッシングパターンに関するインサイトを提供しています。しかし消費者の一部は非接続デバイスを好み、単に電動歯ブラシを求めています。
これは理論的には容易に解決できそうですが、非接続製品の場合は接続製品と異なる設計が必要となり、しばしば在庫やSKU(最小管理単位)の混乱を招きます。色や外側の素材が金属かプラスチックかなど、さまざまな外観上の仕様を加えることにより、在庫やデザインの多様性の管理はコストと複雑性の増加に直結します。LED照明、キーパッド、ドローン、おもちゃ、点滅する照明やモーターを備えたデバイスは何であれ、追加機能を活用するため接続するかどうかにかかわらず、重要な機能を制御するためのプロセッサが必要です。
新たなBB50 MCUおよびより幅広いBB5x MCUファミリーは、以下の機能により上記の課題への対処に寄与します[2] :
- 8ビットおよび32ビット向けの一般的なツールとソフトウェア。Silicon Labs Simplicity Studioやフル機能搭載の8ビットコンパイラなど。
- 高性能コア。動作効率を高めることを目的として、多数のシングルサイクルの命令用に最適化。
- 電池アプリケーション向けに開発された広範な動作電圧と低電力モード。広範な電池サイズにおけるエネルギー効率を向上。
- さまざまなパッケージオプション。サイズ要件に合わせて最適化できるよう、2mm角から5mm角までご用意。
- 数百種類のファームウェアサンプル。追加のファームウェア開発作業はほぼ、あるいは全く必要とせず、既存製品への機能追加が容易に。
xG27 SoCファミリー
Bluetooth接続用BG27
https://jp.silabs.com/wireless/bluetooth/efr32bg27-series-2-socs
Zigbee他の独自プロトコル対応MG27
https://jp.silabs.com/wireless/zigbee/efr32mg27-series-2-socs
シリコン・ラボ
Silabs.com