インフィニオンがNFCによるワイヤレス充電を実現する超小型デバイス向け決済ソリューションSECORA™ Connect Xを発表

スマートなウェアラブルやIoT機器は、スペースや電力の厳しい制約があるにもかかわらず、より多くの機能が可能になり、さまざまな用途でますます人気が高まっています。ウェアラブルにNFC機能を追加することで、店舗での支払いや公共交通機関やオフィスビルへのアクセスに利用することができます。インフィニオン テクノロジーズは、こうした機能の実現を支えるオールインワン ターンキーNFCソリューションであるSECORA™ Connect Xを発表しました。超低消費電力でブーストされたNFCソリューションは、EMVCoベースの決済を簡単に導入するのを可能にします。さらにこのソリューションは、スマートリング、リストバンド、スマートウォッチなどのスマート ウェアラブルのNFCワイヤレス充電も可能にし、より使いやすく、より便利にします。
　　　　　
インフィニオンのコネクテッド セキュア システムズ事業本部ペイメント ソリューション担当責任者であるトルガハン イルディズ (Tolgahan Yildiz) は「センサーやデジタル対応機器の活用が増え、ヘルスケアがウェアラブルのイノベーションの主要な推進力となる中、今後数年間はウェアラブル業界にとって刺激的なものとなるでしょう。NFCワイヤレス充電で一層小型化するデバイスに電力を供給することは、ユーザーの利便性を高め、スリムなデザインを実現する上で、ますます重要になります。SECORA™ Connect Xソリューションは、指輪やリストバンドなど日常的に使用される超小型のパッシブ ウェアラブルを、デジタル決済の可能なスマートな接続デバイスに変えることで、この潮流をサポートします」と述べています。
　　　　　
ABIリサーチ［1］によると、スマート ウェアラブル市場は年平均成長率12.8%で力強く成長し、2027年には約7億台に達すると予測されています。アスリートのフィットネス ルーチンをモニターするためのフィットネス トラッカーであるOuraリングやWhoop Bandなどのウェアラブルは、現在広く利用されています。また、心血管疾患や肥満などの慢性疾患の増加も、ウェアラブルの需要を後押ししています。同時に、簡単、迅速、便利なデジタル決済オプションを求める動きはパンデミックによって加速され、サービス プロバイダーは、非接触のシームレスな決済機能をもつIoT対応デバイスをより多く開発するよう促しています。これらのデバイスには、新しい小型フォーム ファクター、高いセキュリティ、そして信頼できる消費者と決済データの保護が必要とされています。
　　　　　　
超小型デバイス向けの決済とNFCワイヤレスチャージ
SECORA™ Connect XのブーステッドNFCソリューションは、高度なセキュアな遠隔管理機能を提供し、対応するスマートデバイスで消費者認証を可能にします。主に決済、交通、アクセスアプリケーション向けに設計されたSECORA™ Connect Xは、セキュアなNFCユース ケースを素早く実現するソリューションです。インフィニオンは、決済とNFCワイヤレス充電を超小型デバイスに統合し、両機能を1つのNFCアンテナだけで実現する特別な設計で、複数のスマートリング メーカーをサポートしています。
　　　　　　　
PSoC™ベースの評価キットにより、認定済みの決済アプリケーション、シンプルなユーザー インターフェース、容易なホストとの統合を実現し、開発者やOEMは、シームレスな移行パスと市場投入までの時間の短縮というメリットを得ることができます。また、CDCVM (Consumer Device Cardholder Verification Method) 機能もサポートされており、決済時間の短縮、セキュリティの向上、端末でのPIN入力を必要としないシームレスな顧客認証が可能です。決済データは、インフィニオンのセキュア エレメントに保存され、クラス最高のセキュリティを実現します。
　　　　　　
超低消費電力でバッテリーが長持ち
SECORA™ Connect Xマルチ チップ パッケージは、わずかな設置面積しか取らない1つの超小型アンテナに接続されており、デバイスのサイズを小さくしながら設計の柔軟性を高めています。これにより、他のコンポーネントのためのスペースが確保されます。また、SECORA™ Connect Xはチップサイズの縮小、7個以下のコンデンサ、高度に最適化されたコンパクトな形状により、外部回路のシンプルなレイアウトを特徴としています。超小型アンテナはバッテリーの充電時間も短縮します。例えば、充電レベル20％から80%まで45分以内で充電できます。
　　　　　　
このソリューションの超低消費電力により、バッテリーの総寿命は3～4日にも及びます。さらに、決済ソリューションのスタンバイ モードは、インフィニオンのブーステッドNFC設計により、市場の他の製品より大幅に少ない4～6μAしか必要としないため、バッテリー寿命にほとんど影響を与えません。その結果、SECORA™ Connect Xは、お客様の利便性を高めるために最適な決済性能を実現します。
　　　　　　　
詳細
www.infineon.com/SECORA_Connect

［1］Source: ABI research, 74 Technology Trends That Will – And Will Not – Shape 2023, Jan 2023,
https://go.abiresearch.com/lp-74-technology-trends-that-will-and-will-not-shape-2023