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キーサイトがIoTデバイス向けバッテリーエミュレーション、プロファイリングソリューション発表

2023.4.19  5:18 pm

キーサイトがIoTデバイス向けバッテリーエミュレーション、プロファイリングソリューション発表

キーサイト・テクノロジーズ・インク(米国カリフォルニア州サンタローザ、以下「キーサイト」)は、キーサイトE36731A バッテリーエミュレーター/プロファイラーを発表しました。このソリューションは、モノのインターネット(IoT)デバイスのバッテリーの消耗(バッテリードレイン)に影響を及ぼす不確定要素を特定し、デバイスの設計品質を向上させる完全なエミュレーションソリューションです。
     
International Data Corporation (IDC)は、2025年までに416億台のコネクテッドIoTデバイスが普及すると予測しており1、その多くがポータブル電源駆動なので、高度なバッテリー管理技術が必要になると考えられます。これらのデバイスがフィールドで優れた性能を発揮するために、開発エンジニアはピーク時のバッテリー性能を考慮した設計を行い、その設計を実環境での性能と照らし合わせて検証する必要があります。
しかし、デバイス内の物理的なバッテリーの駆動時間をテストすることは、困難で時間のかかる作業であり、市場への投入が遅れる可能性があります。
     
キーサイトE36731A バッテリーエミュレーター/プロファイラーは、バッテリーの性能をエミュレートするために電子負荷と電源を統合することで、IoTデバイス設計者のバッテリーテストのニーズに対応しています。
エミュレートされたバッテリーでテストすることにより、エンジニアはバッテリーの充電状態を瞬時に変化させて、設計やソフトウェアの変更がバッテリー寿命に与える影響を迅速に評価でき、バッテリー寿命を延ばし、デバイスの小型化を実現するために設計品質を向上させることができます。
       
バッテリーエミュレーター/プロファイラーは、キーサイトのPathWave BenchVue アドバンスト・バッテリー・テスト&エミュレーションソフトウェアと組み合わせることで、完全なソリューションとして以下を提供します。

  • バッテリープロファイルの作成 – バッテリープロファイルを作成することで、設計者はバッテリーの消耗をシミュレーションするために、繰り返し使用可能で一貫した特性を持つ既知の優れたリファレンスを確立できます。プロファイルは、経年劣化や温度などの要因に関連付けることができます。
  • バッテリープロファイルの精度の向上– デバイスのシミュレートされた電流消費(ドレイン)を使いバッテリープロファイルを作成することで、一般的なメーカーのモデルを使用するよりも、プロファイルの精度を向上させることができ、より優れたデバイス設計につながります。
  • バッテリーエミュレーションによるテストの高速化 – エミュレートされたバッテリーにより、開発エンジニアはバッテリーの充電状態を瞬時に変化させて、電流消費をリアルタイムで把握することができます。これにより、効率が向上し、より長い駆動時間を実現するために設計を最適化できます。
  • バッテリーのランダウンテストとサイクルテストの自動化 – これらのテストを自動化することで、エンジニアはより正確にバッテリーの駆動時間と経年変化の影響を見積もることができます。
  • 柔軟性 – このソリューションは最大200W、30V、20Aの電源を提供し、マイクロアンペアからアンペアまでのダイナミックな測定範囲を提供します。

キーサイトElectronic Industrial Solutions GroupのCenter of Excellenceのバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるCarol Lehは、次のように述べています。
「キーサイトは、E36731A バッテリーエミュレーター/プロファイラーを、デバイスの設計を強化したいエンジニアにとって、価値のあるソリューションとして提供します。複雑で時間がかかる手動テストに頼らず、このエミュレーターを使用することで、ハードウェアの変更、ソフトウェアアップデート、温度変化などの重要な要因による電流消費ヘの影響を迅速に特定することができます。これにより、物理的なバッテリーを必要とせず、エミュレートされたバッテリーをテストに使用することで、時間を節約してデバイスの設計を改善していくことができます。」
     
キーサイト・テクノロジー
www.keysight.com