インフィニオンがADASと電源分配を強化するPROFET™ Load Guard 12Vを発表

調整可能な過電流制限と容量性負荷スイッチングモードを備える

今日ではほぼすべての新車に先進運転支援システム (ADAS) が搭載されており、自動車産業はさらなる自動化を目指しています。このようなセーフティ クリティカルなシステムには、信頼性の高いインテリジェントなボードネット アーキテクチャが必要であり、快適機能の増加とも相まって、負荷の数が増加します。そのため、E/Eアーキテクチャでは、センシティブな負荷を過電流から保護し、電源分配システムに対して素早く障害を分離する信頼性の高いインテリジェントなソリューションが求められます。
　　　　　　
このようなニーズに応えるため、インフィニオン テクノロジーズは、新しい車載用スマートハイサイドスイッチのポートフォリオであるPROFET™ Load Guard 12Vを発表しました。調整可能な過電流制限機能と容量性負荷スイッチング (CLS) モードを組み合わせることにより、最新の二次電源分配の多様な要件に柔軟に対応し、セーフティ クリティカルなADAS統合システムのための保護機構を実現できます。
　　　　　　
この新しいPROFET™ Load Guard 12Vデュアルチャネルデバイスとシングルチャネルデバイスは、RDS(ON) に応じて、0.3～8.7Aの幅広い制限電流レンジを持ちます。これにより、マイクロコントローラーを使用することなく、システムの要求に応じた保護レベルを設定することができます。
負荷に危険を及ぼすピーク電流を回避し、センサーフュージョンボックスなどの負荷の故障による過負荷状態が発生した場合、電源分配側への迅速な障害分離を実現します。また、本デバイスの容量性負荷スイッチング (CLS) モードを使用して、ADASやディスプレイモジュールなどの高容量性負荷を急速に立ち上げることができます。
　　　　　　　
CLSモードでは、スマートハイサイドスイッチの安全動作領域 (SOA) 内に留まりながら数mFの充電が可能であり、これによりシステム全体の堅牢性が向上します。さらに、Safety-Application-Noteの提供が可能なPRO SIL™ ISO26262-ready製品は、機能安全アプリケーションに簡単に使用できます。また、低電流領域でクラス最高の電流センス精度により、正確なモジュールの診断とモニタリングができます。
　　　　　　
PROFET™ Load Guard 12Vファミリーの、3V (クランキング：2.7V) ～28Vの広い動作電圧範囲は、調整可能な過電流制限とCLSモードと組み合わせることで最大限の負荷柔軟性を提供します。車種の違いや変更などにより負荷やシステムの要件が変化しても、アナログ過電流制限のしきい値を新しい条件に容易に適合させることができます。
これは、OCT端子に接続される抵抗を変更するだけで実現できます。柔軟性に加えて、この機能を用いることにより、経時変化の少ない負荷に対してハードウェアによる配線保護を実現することもできます。このCLSモードは動作可能な負荷をさらに拡大し、モジュールなどの容量性負荷の増加に対応します。
　　　　　　
このファミリーは、定格電流２～３Ａで、90mΩと50mΩの２つのデバイスで構成され、いずれもシングルチャンネルとデュアルチャンネルの車載用スマートハイサイドスイッチとして利用することができます。実績のあるPG-TS-DSO-14パッケージは、PROFET™ +2 12Vなど他のSMART7デバイスとの高い互換性があります。
高容量性負荷は、内蔵されたCLSモードによって簡単に対処でき、PROFET™ Load Guard 12Vの安全動作領域 (SOA) 内で大きなコンデンサを急速に充電することができます。低電流領域でクラス最高の電流検出精度 (kILIS) を実現し、高精度な電流検出が可能になりました。
　　　　　　
PROFET™ Load Guard 12Vデバイス設計のサポートができるように、このファミリーはInfineon Developer Centerで利用可能なPROFET™ Guard Toolに統合されています。このPROFET Guard Toolは、所定の電源分配と負荷電流プロファイルのPROFET™ Load Guard 12Vデバイスのシステム保護能力を評価するものです。過電流制限値を設定するための正しい抵抗値も計算できます。
　　　　　
詳細
http://www.infineon.com/profetloadguard