SOLUTION
STマイクロエレクトロニクスがインテリジェント機能内蔵MEMSモーション・センサによるエッジAI開発を簡略化するツールチェーンおよびソフトウェア・パッケージを発表
2023.5.19 4:42 pm
STマイクロエレクトロニクスは、最新世代のMEMSモーション・センサ「ISM330IS」および「LSM6DSO16IS」に搭載されたインテリジェント・センサ処理ユニット(ISPU)のプログラミングに使用できるツールチェーンおよびソフトウェア・パッケージを発表しました。
このツールチェーンとソフトウェアは、アクティビティ認識や異常検出などの処理を、ISPUを利用してセンサ内で直接実行させるための開発をサポートします。
これにより、システムの消費電力や遅延の削減、ホスト・マイクロコントローラ(マイコン)の負荷軽減に貢献するとともに、センサの動作をアプリケーションに応じて最適化することができます。
ISPUツールチェーンを使用することで、開発者は広く普及しているC言語でセンサに搭載されたISPUをプログラミングできます。ISPUツールチェーンは、コマンド・ライン・インタフェース(CLI)や、STM32CubeIDEをはじめとするEclipseベースの開発環境、AlgoBuilderやUnicleoなどのグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)から使用することができます。
X-CUBE-ISPUソフトウェア・パッケージには、テンプレートやサンプル・プロジェクト、すぐに使用できるライブラリが含まれているため、ISPUの使い方やプログラミング方法を迅速に理解することが可能です。そのため、カスタム・アルゴリズムを実装するための出発点として利用することができます。
また、ビルド済みのファイルも提供されているため、ユーザはコード作成なしで、GUIを介してサンプルを直接センサにロード可能です。
さらに、STのGitHubリポジトリでは、より多くのサンプルやチュートリアル、開発リソースなどが公開されています。
ISPUツールチェーンおよびX-CUBE-ISPUソフトウェア・パッケージは、アクティビティ認識やヘルス・モニタリング用のウェアラブル機器といったパーソナル電子機器および、アセット・トラッキング、状態モニタリング、ロボット、マシン・コントローラといった産業機器の開発期間短縮に貢献します。
ISPUを内蔵したSTのMEMSモーション・センサ「ISM330IS」および「LSM6DSO16IS」には、常時オンの3軸加速度センサおよび3軸ジャイロセンサが搭載されています。
両製品ともに、わずか0.46mAという低消費電力性能(低消費電力モード時)および、70μg/√Hzという低ノイズ(高性能モード時)を備えています。また、センサ・ハブ機能により、最大4つの外部センサからデータを収集可能です。
小型のプラスチック製LGAパッケージ(2.5 x 3 x 0.83mm)で提供され、温度センサも内蔵されています。
ストレングネース(スウェーデン)に拠点を置き、状態モニタリングとプロセス最適化のイノベータであるSPM Instrument社( https://www.spminstrument.com/ )は、ISM330ISを搭載した振動の重大度解析用の新製品において、ISPUの動作を迅速に調整するためにISPUツールチェーンおよびX-CUBE-ISPUを活用しています。
SPM社のセンシング・ソリューションは、ポンプやファンなどの標準的な製造設備だけでなく、過酷な環境や高リスクな環境に配置された接近困難な機械や設備のリモート状態モニタリングに最適です。ISM330ISは、マイコンの処理能力の制約や、厳しい消費電力要件の克服に貢献しています。
詳細
https://www.st.com/content/st_com/ja/campaigns/ispu-ai-in-sensors.html?ecmp=tt32337_gl_link_apr2023