SOLUTION
インフィニオンが最大50 Wまでの充電アプリケーションに最適な高集積ワイヤレス パワー トランスミッターICを発表
2023.5.26 5:34 pm
ワイヤレス充電は、現代のバッテリー駆動の世界では不可欠な要素となっており、さまざまな業界のポータブル製品に合理的でユーザーフレンドリーな体験をもたらしています。
インフィニオン テクノロジーズは、ワイヤレス充電 (WLC) コントローラーICのポートフォリオにWLC1150を追加することを発表しました。これにより、高度に統合された設計しやすく、コスト効果の高いソリューションを、より高い無線電力伝送を必要とするアプリケーションに提供します。
これらには、産業機器、ヘルスケア機器、ロボットや ドローン、掃除機、電動パワーツール、ドッキングステーション、Qi Extended Power Profile (EPP) 対応のスマートフォン充電器などが含まれます。
WLC1150トランスミッターは、高効率、柔軟な熱管理オプション、低電磁干渉 (EMI) 、統合適応型異物検出 (FOD) 、インバーター制御、その他いくつかの機能を提供し、このようなアプリケーションの重要な要件を満たすように設計されています。WLC1150は、Qファクター、共振周波数、電力損失など複数の方法で適応型FODを調整します。
トランスミッターは、ハイパワーな独自の充電プロトコルと4.5~24 Vという広範囲な入力電圧をサポートした50 Wのワイヤレス電力伝送に対応しています。内蔵のファンバックコントローラーにより、ハイパワー伝送時にインターフェース表面を冷却するよう熱管理が可能です。また、周波数、デューティサイクル、可変電圧で制御するインバーター用のゲートドライバーを内蔵しています。
また、プログラマブル電源 (PPS) モード搭載の最新版USB-PD 3.1をサポートするUSB Type-C パワーデリバリー (PD) コントローラーを一体化しています。WLC1150は、EPP、BPP、とPPDEを搭載し、WPC Qi 1.3に準拠しています。USB PD/PPSまたはDC電源からの固定入力のいずれかを入力電源とするシステムに対応しています。いずれの入力構成でも、トランスミッターはフロントエンドDC-DCコンバーターを必要としません。これにより、システムの効率を大幅に向上させることができます。
調整可能な過電圧保護 (OVP) 、過電流保護 (OCP) 、過温度保護 (OTP) もサポートされています。WLC1150トランスミッターICは、今後発売予定のWLC1250レシーバーICと組み合わせることで、エンドツゥーエンドの独自のワイヤレス電力伝送ソリューションを実現することができます。
WLC1150は、プログラマブルな32ビットArm® Cortex®-M0プロセッサをベースに、128 KBフラッシュ、16 KB RAM、ADC、PWM、タイマなどの各種周辺機器を備えています。フルスタックファームウェアは、アプリケーション固有のFOD、インバンド通信、センシング、保護、その他のシステムパラメーターのカスタマイズを可能にする、多くの設定可能なオプションを備えています。これを可能にしたのが、使いやすいグラフィカル ユーザー インターフェース (GUI) で、コードのデバッグが不要になり、設定作業も効率化されます。インフィニオンのModusToolbox™と組み合わせることで、WLC1150のプログラマブルな機能は、最新のQi仕様だけでなく、独自のプロトコルに対応した明確かつ拡張性のあるワイヤレス充電ソリューションを開発することができます。
詳細
www.infineon.com/1200VHVIC