SOLUTION
インフィニオンが脱炭素化に向けて電鉄向けの高効率・高出力モジュールCoolSiC™ XHP™ 2を発表
2023.6.6 6:40 pm
世界の気候目標を達成するために、交通機関はエネルギー効率の高い電車など、より環境に優しい乗り物に移行する必要があります。しかし、鉄道はアクセルとブレーキを頻繁に繰り返す厳しい運転条件にありながら、長い耐用年数にわたって信頼性の高い運転が期待されています。そのため、鉄道には高出力密度、信頼性、品質を備えたエネルギー効率の高い駆動装置が求められています。
インフィニオンテクノロジーズは、これらの要件に対応する、2つの新製品、FF2000UXTR33T2M1およびFF2600UXTR33T2M1をCoolSiC™パワーモジュールのポートフォリオに追加することを発表しました。これらのパワーモジュールは、新しく開発された3.3 kV CoolSiC™ MOSFETとインフィニオンの相互接続技術である.XTを使用しています。XHP™ 2パッケージで提供され、特に駆動装置アプリケーションに合わせて調整されています。
この駆動装置などの要求の厳しいアプリケーション向けに設計されたデバイスは、ニュルンベルク (ドイツ) で開催された今年のPCIMで発表されました。インフィニオンのグリーン インダストリアル パワー事業部プレジデントであるピーター バーウァーは「環境に配慮した鉄道技術には、これらのアプリケーション向けに特別に設計された革新的な半導体ソリューションが必要です。
低いスイッチング損失と高いスイッチング周波数を可能にするインフィニオンの新しい炭化ケイ素 (SiC) 製品は、将来の鉄道に極めて重要な特徴である、より環境に優しく静かな列車に不可欠なものです」と述べています。
駆動用パワーモジュールには、効率的で堅牢なSiC チップに加え、高速スイッチングを可能にするパッケージングと、より長い耐用年数を可能にする相互接続技術が必要ですが、これらの新製品はこうした特徴を備えています。
すなわち、インフィニオンのXHP™ 2パッケージのボディダイオード内蔵CoolSiC™ MOSFETチップは、高い信頼性と電力密度を維持しながら、低スイッチング損失を実現します。
また、XHP™ 2パッケージは、低い寄生インダクタンス、対称的で拡張性の高い設計、高い通電能力を特徴としています。FF2000UXTR33T2M1のオン抵抗は2.0 mΩ、FF2600UXTR33T2M1のオン抵抗は2.6 mΩです。列車の厳しい運転プロファイルにもかかわらず、インフィニオンの.XT技術は、パワーサイクル性能を向上させます。
インフィニオンのCoolSiC™パワーモジュールは、従来のソリューションと比較して、列車のモーターとコンバーターのエネルギー消費量を全体で10%削減することができます。さらに鉄道事業者は、よりコンパクトで軽いコンバーターと、簡素化された冷却システムというメリットを享受できます。これは、インフィニオンや駆動装置メーカー、鉄道事業者の脱炭素化への取り組みに貢献するとともに、列車が近隣を通過する際の騒音レベルの低下により市民の利益にもつながります。
2022年にシーメンス モビリティとシュタットベルケ ミュンヘン (SWM) が路面電車で実施した共同フィールドテストで、SiCパワー半導体が運転中のエンジンノイズを大幅に低減することが、インフィニオンのSiCベースのXHP™ 2パワーモジュールを用いて実証されています。
インフィニオン「エネルギー効率」
https://www.infineon.com/cms/jp/about-infineon/energy-efficiency-technologies/