SOLUTION
ケイデンスがTensilica Vision DSP製品ファミリーを拡張 車載アプリケーション用にレーダーアクセラレータと新しいDSPで最適化
2024.2.29 5:34 pm
ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社 米国カリフォルニア州サンノゼ市、以下ケイデンス)は、2月28日(米国時間)、車載センサフュージョンのアプリケーションに関する演算要求の増加に対応するため、Tensilica IPポートフォリオの拡充を発表しました。
新しい高性能なCadence® Tensilica® Vision 331 DSPとVision 341 DSPは、マルチモーダル、センサベースのシステム設計向けに、ビジョン、レーダー、ライダー、AI処理を単一のDSPに統合し、最小の面積で最高のエネルギー効率を実現します。4Dイメージングレーダー アプリケーション向けに最適化された新しいCadence Tensilica Vision 4DR Acceleratorと組み合わせることで、レーダー性能とエネルギー効率をさらに高めることができます。大手車載用SoCプロバイダーおよび早期アクセス顧客が、次世代車載用SoCにVision 341 DSPを採用したことで、この新しいソリューションに対する顧客の需要が実証されました。
新しいVision 341 DSPとVision 331 DSPは、実績のあるTensilica ConnXとVision命令セットアーキテクチャを組み合わせることで、自動車、ドローン、ロボット、自律走行システム向けのSoCプロバイダーに、画像センシング、レーダー、ライダー、AIワークロード向けの高度でプログラマブルなシングルDSPソリューションを提供します。その他の特徴と利点は以下の通りです。
・1024ビットのVision 341 DSPは、GPUやCPUと比較して最高の性能とエネルギー効率を実現しながら、Vision 331 DSPと比較して2倍の積和演算(MAC)性能を提供
・512ビットVision 331 DSPは、特定の4Dイメージングレーダーのワークロードに対して、最大4倍の性能とエネルギー効率を提供。
・Vision 341 DSPは、Vision 230 DSPと比較して最大6倍の性能向上を実現
・4Dイメージングレーダーのアプリケーション用と新しいDSPと組み合わせた場合、Vision 4DRアクセラレータは、Vision 341 DSP単独と比較して3倍、Vision 331 DSP単独と比較して5倍の性能向上と最大6倍の面積当たりの性能アドバンテージを提供
・新しいVision DSPは、コンピュータビジョンのフィルタとNMSアルゴリズムにおいて、コンピュータビジョンの性能を最大2倍、量子化とDepthwise Separable ConvolutionにおいてAI性能を向上
Vision 341およびVision 331 DSPは、Tensilica Instruction Extension (TIE)言語をサポートしており、命令セットのカスタマイズが可能です。Cadence NeuroWeave™ ソフトウェア開発キット(SDK)は、両DSPでニューラルネットワークをサポートします。さらに、Vision 341およびVision 331 DSPは、コンピュータビジョン、イメージング、レーダー、ライダーのアプリケーション向けに、1,700以上のOpenCVベースのVisionライブラリ関数、SLAM Library、Point Cloud Library(PCL)、レーダーライブラリ、Nature DSPライブラリ、OpenCL、およびHalideのコンパイラをサポートしています。
どちらのコアもASIL B(ランダム故障)およびASIL D(システム故障)認証を取得し、車載に対応しています。
Dreamchip社 コメント
Jens Benndorf 氏(Managing Director, CEO)
「ADAS(先進運転支援システム)市場向けSoC開発のリーディングカンパニーとして、当社は近い将来、4Dイメージング・レーダーの利用が拡大すると見ています。私たちは、Cadence Tensilica Vision DSPをSoCに採用していますが、カメラ、レーダー、4Dレーダーのアクセラレーションに対応し、最小の面積で最高の性能を発揮できるこれらの新しいDSPを歓迎します。」
SemiDrive社 コメント
Eugene Wang 氏(General Manager, Global Automotive Business)
「当社はインフォテインメント市場セグメント向けの革新的なSoCを開発し続けており、効率的なプロセッサと柔軟なDSPを選択することがビジネスの成功に不可欠です。私たちは、Cadence Tensilica Vision DSPを製品に採用しており、カメラとレーダーの両方に対応できるこれらの新しいDSPを歓迎します。さらに、ケイデンスの広範なソフトウェアライブラリのフレームワークと強力なパートナーエコシステムは、迅速な市場投入を可能にします。」
Yole Group コメント
Raphaël Da Silva 氏(Technology and Market Analyst)
「自動車アーキテクチャは、SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)や、ドライバーや乗員を監視するシステムの普及に伴い、進化し続けています。レーダー、カメラ、ライダーの組み合わせは、あらゆる条件下で最適な安全性能を確保するために必要です。現在、自動車には40以上のセンサーが搭載されており、その数は今後も増え続けるでしょう。特に、Yole Intelligenceの「Radar for Automotive 2023」レポートにあるように、イメージングと4Dレーダーは2023年から2028年にかけて年平均成長率40%以上、車載用では131%以上の成長が見込まれています。」
ケイデンス・コメント
David Glasco(VP of R&D for the Silicon Solutions Group)
「Vision transformerの普及に伴い、車載SoCおよびシステム企業は、センサーフュージョンアプリケーション向けにクラス最高の性能を必要としています。これに伴い、コンピュータビジョン、レーダー、ライダーとAI処理に対応する柔軟性の高い単一のDSPソリューションを求める企業が増加しています。Visionおよびレーダー用DSP IPの主要プロバイダーとして、新たな4Dレーダーアプリケーション向けにオプションのレーダー・アクセラレーションを備えた単一のDSPを顧客に提供することで、この増大するニーズに対応できます。」
・製品提供時期
Tensilica Vision DSPは卓越したシステム・オン・チップ(SoC)設計を可能にするケイデンスのIntelligent System Design™戦略をサポートします。新しいVision 331 DSPとVision 341 DSPは現在ご利用いただけます。Vision 4DRアクセラレータは2024年第2四半期に一般出荷される予定です。
Vision 331 DSPおよびVision 341 DSP詳細
www.cadence.com/go/vision-331-pr
www.cadence.com/go/vision-341-pr
Vision 4DRアクセラレーター詳細
www.cadence.com/go/vision-4dr-accelerator-pr