Electronics Information Service

組込みシステム技術者向け
オンライン・マガジン

MENU

FOCUS ONTIアラート

DMDを使った革新的な産業用技術の登場

2017.4.18  6:45 pm

1月末にサンフランシスコで開催された「SPIE Photonics West 2017」には、2万人以上が参加し、4,800の論文が発表された、大規模なカンファレンスでした。展示会も併催され、1,300社が出展し、3つのカンファレンス・グループ(BIOS、LASE、OPTO)が参加しました。今回は、TIのDLP®製品が「Photonics West」でDMDカンファレンス・トラックのスポンサーを務めて9回目になりました。最新の製造技術と3Dメトロロジ、分光器、バイオメディカル画像処理技術、コンピュータ画像処理技術やビーム加工技術などを網羅した計24の論文がDMDカンファレンスで発表されました。加えて、「Photonics West」を通じて、バイオメディカル画像処理技術やレーザーのアプリケーション、オプト・エレクトロニクスのトラックからの論文にもDMDに関する情報が含まれていました。この展示会では、DMDの多様性と柔軟性を示す、非常に広範なアプリケーションが展示されました。このカンファレンスを通して、議論された新しいアプリケーションのいくつかをご紹介します。

3D印刷における技術革新

今年の「Photonics West」では、急成長している3Dプリンタ技術を応用するため、先端製造技術と注目された画期的な方法に向けた3Dプリンタ技術に焦点を当てたアプリケーション・トラックがありました。DLPテクノロジは、この成長をサポートする有力な技術です。カンファレンスで発表された4つの論文ではDMDを利用するプリンタ技術のさまざまな側面について議論されました。全ての発表者が柔軟性と解像度(あるときは回折限界以下)、正確な位置合わせが主なメリットであると強調していました。

最先端の3Dマシンビジョン

3D メトロロジのセッションは、最も多くの出席者を集め、このDMDアプリケーションに対する強い関心の高さが示されました。そこでは、パデュー大学のSong Zhang氏と、AICON 3D Systems社のPeter Muenstermann氏による2つの招待講演を含む4つの講演が行われました。Zhang氏は、自ら開発したDLPテクノロジ・システムを使った技法により、正弦波方法に相反して焦点をずらす手法により高速な3Dイメージングを実現したことを紹介しました。この焦点をずらす手法により、高速で高精度の測定ができるようになり、位相品質の向上をもたらします。Muenstermann氏は、光学的な3Dスキャナについて興味深い解説を行いました。同氏は、DMDベースの設計は、高輝度で、精度の高い直線性を持ち、さらに異なるプロジェクションの色を柔軟に使えるという、明確なメリットがあると結論付けました。加えて、Ajile Light Industries社のJeremy Gribben氏は、DMDベースのプロジェクタは像を映し出しただけではなく、像を捉えたという興味深いコンセプトを発表しました。この方法は、サブ・ピクセルの精度を高め、全体的な深度測定の精度を改善しました。

分光器のソリューション

分光器はDLPテクノロジに適したアプリケーションです。分光器とハイパースペクトル画像技術セッションでは5つの発表がありました。ノースウェスタン大学のElad Harel博士は、データ収集を何桁も高速化しながらコストの高いアレイ検出器の代わりに高速のDMDを使うアプリケーションについて講演しました。ケンタッキー大学のDaniel Lau博士は、DMDを使ってスペクトルが豊富なシーンを集める興味深い技術を開発し、詳細な空間構造について解説しました。この方法は、特に再構築が極めて困難な画像の端まで圧縮測定の再構築品質を改善します。

バイオメディカル画像技術

今回のカンファレンスにおいても、バイオメディアカル画像技術のセッションは非常に注目度が高いものでした。多様で創造的なアプリケーションは、生体分子の微細印刷から、光退色が少ない、改良された高解像度のバイオ・イメージングにまでおよびました。DMDカンファレンスで発表された5つの講演に加え、バイオメディカル・アプリケーションでDMDを利用について述べた講演が10以上もありました。特殊な話題としては、散乱媒体を使った画像技術や光トモグラフィ、眼の画像技術がありました。

来年の「Photonics West 2018」ではどのような新しい技術が登場するでしょうか。カンファレンスで皆様にお目にかかれるのを今から心待ちにしています。

・参考情報: TIのDLPテクノロジ

※DLPはTexas Instrumentsの登録商標です。その他すべての商標はそれぞれの所有者に帰属します。
※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年3月23日)より翻訳転載されました。

・お問い合わせ先
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
E2E 日本語コミュニティ(http://e2e.ti.com/group/jp/