第5回 「やっぱり展示会」

ESECが終わりましたね。景気の回復が後押しして、なかなかの盛況でした。
展示会場は370社・団体でビッグサイト東ホール半分の4、5ホールを使いきり3日間で約19400人の来場者があったようです。体感では2万人以上なのですがリピーターが多かったのでしょう。全体来場者は約67000人あったようです。
驚くべきはセミナー参加者の増加です。昨年は基調講演、をあわせて約2400名だったのが今年は3100名、特に有料セミナーで聴講者が200人超えたプログラムが2本、190を超えてあと少しで200というのが2本ありました。

さぁ次は秋のET2004、こちらはもっとがんばりますよ。なにせ、まずは足の便が格段によくなりましたしね。もともと技術者の心をくすぐる展示会ですが、最近は、やはり経営層にもアピールする内容も増えてきました。さらには産官学の連携をきっちり打ち出して展示に表せるのは、今のところETだけですね。詳細はもうすぐに明らかになりますので、ET2004のサイトをご覧ください。

ととと、今日は、展示会の評論をするつもりはなく、ちょっとした発見をお伝えしようと思いキーボードを叩き出しました。

展示会といえば、最近は商品ディスプレイとオンサイトセミナー、そしてコンパニオンの派手な客引き?の3点セットがお決まりのようです。さて、この3点セット効果はいかがなものか。

ぶらーっと来て何か新しいことないかなという来場者には心地よいでしょうね。コンパニオンの評価もしながら、ウンウンいろイロあるわい(何が!)、と。

次に、すでにお目当てを決めていて、ついでに関連する技術・製品はないかな、という来場者にはまぁまぁか、あるいはちとウザイでしょうね。

ところが既に複数の会社のお得意さんになっていて、新製品を見にきたとか、展示会をきっかけに実商談をもっと進めたいと思う向きには、ぜんぜんうれしくないのでは、という疑問がふと浮かびました。

そんな来場者はいるのかな、そんな展示会はあるのかな、と考えると、EDAツールで有名なDAC(Design Automation Conference)の展示会はまさにそれに該当しますね。

技術分野が比較的絞られ、道具や方法論が行き渡っていると、毎年ツールの更新や機能アップを前提にお付き合いがあり、またツールチェインで別会社にも訪問するけど、あまり浮気はしない。
こんな分野では会場展示は本当に新しいものや一般向けのものを用意し、新製品やNDAものはスイートルーム形式で商談優先で実を挙げることが主眼となっているのです。

潜在顧客でも、すでに一二度アタックした後ならばキーパーソンが来場する「展示会」を活用しない手はありません。「ぜひ、弊社のスイートルームへお越しください、取って置きの新製品をご紹介します」、あるいは、「前回お見せできなかったデモを・・・」と。

いつもですと、売り込む側が顧客を訪問するのですが、展示会があると、逆に顧客に集まって戴けるのです。たとえば1日2時間で4商談をこなすとして、これを3日間続けると12商談が可能、仮に4本パラに走らせると48商談から50商談可能ですね

さて、今回のESECで、その実例が見られました。東5ホール入り口から入るとすぐ左にあったGAIOさんのブースです。まずはびっくり仰天、なんだいこりゃぁ、展示はちょろちょろ周辺は仕切られたユニークな形の商談ルームが3室(4あったかな)、その上、対象人数は少ないですが、PCまで持ち込んだオンサイトセミナールーム!
こりゃどう見たってGAIO社ESEC移動本店ですぞ、社長副社長以下普段はいない技術営業までそろってる。

もうひとつの実例がGAIAさん。こしらは商談ルーム2つだけ。展示は??、まさに一見客はお断りなんでしょうね。

いずれにしても今回、G&Gはユニークでした。

市場が成熟したと思っておられるベンダーさんは、展示会にあまり積極的ではないようです。でもね、効率よく、顧客との商談を進めるにはなかなか有効なものですよ。顧客は関連技術・製品を求め必ずおいでいただけるし、出展側は人的主力を集中するので話がわかりやすいはず。

普段、顧客は「ユビキタス」、でも展示会では顧客は「逆ユビキタス」、これが今回の結論でした。

PS
私の展示会の使い方、通常は会えない人達に一気に会えるので飲み会企画にジャストフィット!
それから写真が小さくて申し訳ないです、携帯で待ち受け画面サイズで撮ってしまった・・・。

 

一般のオンサイトセミナー

 

これが商談ルーム

 

商談ルームに据え付けられた扇風機

 

セミナールーム

バックナンバー

>> 第1回 「ユビキタスIDセンター記者会見」

 

>> 第2回 「CASPIAN王子とRFID?」

 

>> 第3回 「T-Engineフォーラム、マイクロソフト共同記者会見」

 

>> 第4回 「UCサロン」

 

自己紹介
1973年に日本電気に入社、以来、2002年に半導体部門が分社されるまで、他の会社に移ったことがないという典型的なサラリーマン。ただ、半導体部門でソフトウェアを志したため、社内ではメインストリートを歩むことなく今日に至る。
その一方、社外には友人が多数、トロンの坂村健先生とも20年来の付き合い。
メールアドレス:h-monden@mud.biglobe.ne.jp