渡辺 |
酒井さん、よろしくお願いします。今回はお忙しい中、インタビューに対応していただきありがとうございます。 |
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酒井由夫さん |
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酒井 |
こちらこそよろしくお願いします。SESSAMEの宴会部長である渡辺さんにはいつもお世話になっています。(笑)
冗談はさておき、渡辺さんの顔の広さにはいつも関心させられます。 SESSAMEメンバが語る「組込みソフト開発の明日」
に登場させていただき光栄です。
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渡辺 |
今回の書籍『組込みソフトエンジニアを極める』、いい本ですね。スキルやキャリアを語る私としては脱帽です。この本は、どのような背景や想いから執筆されたのですか? |
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酒井 |
もともとは
SESSAMEの世話人でもある電気通信大学の西さんに、日経BP社の出版局の方が「組み込みソフトの品質」に関する書籍の執筆に興味のある人を探しているけれど、やってみないかという打診があったのがきっかけです。そのとき、技術評論社の組込みプレス
vol.2 に「リコールを起こさない組込みソフトの作り方」という記事を書いたばかりだったのですが、このネタだけでは本一冊書くのは難しいという話しを編集の方に話したら、「酒井さんの書きたいことを企画書にまとめてください」と言われたのです。
その後、編集者といろいろディスカッションを重ねた結果、組込みソフトを極めるために必要なスキルや考え方について初級の組込みソフトウェア技術者やビジネス系のソフトウェア技術者にも分かるような内容にしようということになりました。
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渡辺 |
酒井さんが組込みプレスで書かれたリコールを起こさない組込みソフトの作り方って、どんな方法ですか。リコールとまでは言いませんが、品質問題を全てクリアするなんて・・・本当にそんな法則があるのですか? |
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酒井 |
詳しくは、組込みプレス vol.2 か、「組込みソフトエンジニアを極める」の第4章−品質の壁を越える−を読んでいただくとして、ひとつだけ言えるのは特効薬はなく、地道な努力が必要ということです。いつも飲み会のときに「ぼくは自分のプロダクトでリコールを起こしたことがあるからこそ、リコールを起こした技術者の辛い心理状態が分かるし、お客様に迷惑をかけないためにはどういった施策を行えばいいのか分かるのです。」と冗談ぽくいっています。ホントですよ。 |
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渡辺 |
冗談じゃなかったんだ・・・・ ところで、今回の書籍はメディアミックスで提供するって言っていましたが、どのような取り組みなんですか?
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酒井 |
僕は、SESSAMEのホームページを担当しています。そこで、組込みソフトの関するコンテンツやセミナの案内、セミナのアンケート結果を公開したり、問い合わせを受けたりしていろいろことを学びました。そこで考えたのはインターネットによる情報伝達が簡単にできるようになった世の中で、書籍に書かれた知識や技術情報は著者や編集者が何回も精査した良質な情報になっているものの、その本のコンセプトをビジュアルに潜在的な読者や、本を購入した読者が発信した情報に対してどのような感想を持ったのかを吸い上げることが難しいことに問題を感じていました。
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そこで、本の出版と同時に、本のコンセプトを読者に伝えるWEBサイトと、今自分がどんなことを考えているのか、また、読者が本にどんな感想を持ったのかをフィードバックするためのブログサイトを立ち上げました。WEBサイトもブログサイトも、それらだけで十分に楽しめる内容となっていますので、是非眺めてみてください。特に、WEBサイトの方は、組込みソフトの初心者、中堅、ベテラン、ハードウェア出身のマネージャ、ビジネス系のソフトウェアエンジニアといた本に登場する5人の人物の日記が掲載されており、あのときの会話の裏ではあいつはこんなことを考えていたといった、ザップ感覚で日記が読めるようなっているのでおもしろいですよ。僕のお気に入りです。
↓本
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822282724/249-8691075-3822732
↓WEBサイト
http://embeddedsoftwaremanufactory.blogspot.com/
※本が企画され完成するまでの経緯が記された著者の日記への入り口はWEBサイトのどこかにに隠されています。
↓ブログサイト
http://store.nikkeibp.co.jp/books/embeddedengineer/ |
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渡辺 |
今後、SESSAMEでどのような活動をされていく予定ですか? |
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酒井 |
SESSAMEのメンバーが組込みソフトエンジニアのために作ったコンテンツをできるだけわかりやすい形でWEBサイト上で提供できるように工夫していきたいと考えています。それと、SESSAMEのメンバーは各分野の第一線で活躍しているエンジニアであり、彼らが議論を戦わせて作り上げた講義をセミナーに参加した百人足らずにしか伝えられないのはもったいないので、その映像や音声をプレゼンのスライドとともに e-Learning
コンテンツにすべく活動していきたいと思います。
組込みソフトエンジニアが力を結集すると家庭用の機材や、手作りの機械などで、一般の企業が何千万円もかけて作るプロダクトができてしまうんです。
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渡辺 |
IT技術を使ったアイディアでいろいろなことができそうですね。 |
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酒井 |
SESSAMEの
e-Learning コンテンツは 個人で利用するのに CD一枚\5000-の費用をいただいていますが、その講義の雰囲気だけでもつかめるように、講義の音声データだけを
mp3 形式にして、ポッドキャスティングしています。このデータは、SESSAMEのメンバーで
TEAC の優秀な組込みソフトエンジニアでもある國方さんが、聞きやすいように編集してくれたものです。
まだまだ、優良な情報を発信し続けていきますので、是非期待してください。 |
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渡辺 |
さすが酒井さん、期待しています。お互いにがんばりましょう。ありがとうございました。 |